【活動報告】森の幼稚舎 -夏の清流沢遊び編-(2023年7月8日実施)

2023年7月8(土)、「森の幼稚舎-清流沢遊び編-」を開催しました。

「森の幼稚舎」は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中で最も人気を誇るイベントであり、年間を通じて実施する体験活動となっています。4月に実施した「森の幼稚舎-DAY CAMP編-」では、天候にも恵まれ、森のフィールドを元気いっぱいに駆け回り、飯ごうでごはんを炊く活動を行いました。今回は、同じ森のフィールドで、夏だけの特別な体験である沢遊びを堪能しました。夏本番を迎えて蒸し暑さが続く中、青空の下で透き通った水に触れ、涼しさと自然の美しさを体感する活動となりました。

当日の朝は、子どもたちの集合に先立ち、スタッフがJR新宿駅「新南口」にてスタッフミーティングを行います。子どもたちが安全且つ楽しく活動できるよう、数日前に行った事前打ち合わせに続き、当日の流れや留意事項を再確認して、万全の態勢を整えます。

集合時刻である8:30が近づくと、期待に目を輝かせた子どもたちが集まり始めます。保護者の方と共に元気に挨拶をして受付を済ませると、早速同じグループのお友達やリーダーと今日の活動について話します。

「こんなに大きな虫網を持ってきたよ!」「沢の生き物を捕まえて、この虫かごに入れたいな」

そんなやり取りを行いながら、子どもたちは各々が持ってきた自然遊びの道具を見せ合い、水遊びへの期待で胸を膨らませていました。

出発式が終わり、保護者の方に元気よく「いってきます」の挨拶をしたら、いよいよ出発です。今回は、子どもと付き添いの保護者、スタッフを合わせて総勢37名での活動となりました。電車とバスを乗り継ぎ、最後は徒歩で現地まで向かいます。

土曜日の朝とはいえ、電車の中はかなり混雑していました。グループのお友達やリーダーと楽しくコミュニケーションを取る中で、周囲に迷惑がかからないよう、子どもたちには公共の場に相応しい振る舞いが求められます。中には、会話に盛り上がるあまり、マナーを守ることができていないお友達に対して、何度も体験活動に参加している子が自ら指導する姿もありました。

「電車の中は静かにして」「周りの人の迷惑になるよ」

大人に注意されずとも、己の経験から学んだことを子ども同士で共有し合い、社会性や常識を身に付けていくことは、集団で行動する体験活動の重要な学びの一つです。前回の体験活動の時とは別人のようなその立派な姿に、スタッフは思わず笑みがこぼれます。子どもの成長とは、いつ見ても輝かしく尊いものです。

高尾駅に着くと、さっとお手洗いを済ませ、いつもお世話になっている京王バスに乗り継ぎます。今回も増発便を貸し切り状態で用意してくださったおかげで、全員でバスに乗り込むことができました。バス会社の方々のご配慮に、心より感謝申し上げます。

バスを降りたら、いよいよ秘密基地へ向けて林道を歩き始めます。前回訪れた時には、まだ若々しかった木々もすっかり青くなり、爽やかな風で草木が揺れる音と、小川のせせらぎに癒されながら、ぐんぐんと前へ進んでいきます。

秘密基地に到着すると、現地を管理するスタッフが出迎えてくれました。「よろしくお願いします!」と元気よく挨拶をして、一日の約束事を確認したら、さっそく水着に着替えます。全員の準備が整ったところで、いざ、水遊びをする沢に出発です!

清流は、見上げるような大きな杉の木に囲まれ、心地よい音を響かせながら、美しく涼しげに流れていました。実際に目にした途端、子どもたちは大興奮。すぐに水の中へ飛び込みたい!という気持ちをぐっと堪え、まずは怪我のないよう、みんなで準備体操を行います。その後、改めて沢での注意事項を確認したら、いよいよ待ちに待った水遊びのスタートです!

待っていましたと言わんばかりに、水流に向かって逞しく進んでいく子、恐る恐る水に足を伸ばしては、すぐに引っ込める子。様々な反応を見せる中、スタッフに後押しされて全員が水に入ると、山から下ってきた新鮮な水の冷たさに、子どもたちの興奮した歓声が響き渡ります。

少し経つと、水の冷たさが心地よく感じるようになり、子どもたちは思い思いに遊び始めました。スタッフと水を掛け合う子、そこかしこを探検し、虫取り網と虫かごで生き物探しに精を出す子。日常では体感できない自然の恵みに刺激を受けながら、無我夢中で水遊びを楽しみます。

「みんな見て、カニを捕まえたよ!」「こっちにはヤゴもいるよ!」と、小さな沢の生き物を見つけては、みんなで見せ合います。

夢中になって動き回っていると、時には流れに足を取られそうになったり、苔の生えている岩に滑りそうになったりもします。どんなに浅い沢での水遊びでも、子どもたちにとっては立派な冒険です。沢には、水の流れが強いところ、深いところ、とても冷たいところ等があり、周りは様々な姿の岩や木に囲まれています。決して均一ではない色々な表情を持つ自然の中には、美しさだけでなく、常に「危険」が存在しています。子どもたちは、そういった身の回りの危険を注意深く確かめながら、実体験の中でそれを見極め、回避する力を養っていきます。

その過程では、時に「ヒヤリ」とする場面に出会うこともあります。しかし、その経験こそが、取り返しのつかない「本当の危険」から自他を守る武器となるのです。こうして、子どもたちは小さな失敗を繰り返しながら、自然体験の中で「生きる力」を培い、逞しく成長していきます。

一方、周囲の大人は、主体的に遊び、自立へと向かって学び続ける子どもたちを見守りながら、必要な時には瞬時にフォローに入ることができるよう、傍で態勢を整えます。もちろん、危険が伴う深い場所や上流に行くことのないよう、スタッフが常に配置につき、子どもたちの安全を確保する環境づくりは欠かせません。

さて、沢遊びに夢中になっているうちに、あっという間に昼食の時間がやってきました。まるで我に返ったかのように、「お腹が空いたー!」という子どもたちの声が聞こえてきます。秘密基地に戻って手を洗ったら、晴れた空が良く見える木陰でシートを広げ、みんなでお弁当をいただきます。沢遊びで思いっきり身体を動かした後のご飯は、いつもよりたくさん食べられました。

ごちそうさまをすると、午後は自由遊びの時間です。水遊びの続きをやりに沢へ行く子、森のフィールドでブランコや虫取りをする子、ハンマーやノコギリを使って工作をする子など、様々な活動に分かれます。子どもたちは、チャレンジしてみたいこと、楽しいと思えることを自ら見出し、積極的に活動します。

工作活動では、色々な形の木材を用いて、各々が作りたい物を自由に作ります。スタッフのサポートのもと、ノコギリで木材を切り、釘で繋げて剣にする子、やすりでつるつるに削ってサイコロにする子、穴を空けて絵を描き、ペンダントにする子など、子どもならではの豊かな発想が形になっていきます。自分で作った世界に一つだけの作品は、子どもたちにとって大切な宝物です。帰りの電車で眠りについた後も、離すことなく大事そうに抱えていました。

夕方が近づいてくると、水遊びを終えた子どもから順番に、母屋にあるシャワーで汗や汚れを落とします。大勢がスムーズに身支度を済ませられるよう、遊びの最中でも着替えやトイレを順々に済ませ、けじめを付けて行動できるよう声を掛けます。

そうして遊びの時間が終わり、荷物をまとめたら、最後に思い出の記念撮影です。その後、今日一日お世話になった現地のスタッフに「ありがとうございました!」とお礼の挨拶をして、いよいよ秘密基地とのお別れです。

名残惜しくも、遊びきったと言わんばかりの達成感に満ちた表情で、子どもたちはバス停に向かって歩き出します。帰り道は、夕陽が暖かく降り注ぎ、往路とはまた違った心地良さを感じられました。バスや電車の中では、ほとんどの子が行きの様子とはうって変わり、まるで電池が切れたかのように眠りにつきました。きっと夢の中で、今日一日の出来事を思い浮かべ、沢遊びを楽しんでいることでしょう。

その後は、予定通り新宿駅に到着し、お迎えの保護者の方々に子どもたちを引き合わせ、簡単なご報告をしてからの解散となりました。

夏もいよいよ本番。てんげんじこどものいえのキャンプ・体験活動の他にも、ご家族でのご旅行や習い事での予定など、様々な夏のイベントが子どもたちを待ち受けています。今回の森の幼稚舎での活動は、これから増えていく「夏の楽しい思い出」の先駆けとして、子どもたちの中に刻まれていれば幸いです。

次回企画は、7/23(日)~7/26(水)3泊4日の「海!山!川! 大ぼうけんキャンプ」です。てんげんじこどものいえの夏休みは、キャンプやイベントが盛りだくさんです。募集中の体験活動情報のほか、学校の宿題をお手伝いする自由研究応援企画などもぜひご覧ください。子どもたちの成長と笑顔のため、これからも充実した体験活動を提供してまいります!

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