【活動報告】森の幼稚舎 - 春のDAY CAMP編 -(2025年4月19日実施)

2025年4月19日(土)、「森の幼稚舎ー春のDAY CAMP編ー」を開催しました。本企画は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中でも、特に人気を集めており、当日は多くの子どもたちと保護者の方々がご参加くださいました。

森の幼稚舎とは?

森や川、山での活動を通して、豊かな感性や想像力、自分で考えて行動する力を養える、自然体験活動の場です。
火遊び、丸太切り、自然素材を使った木工作など、大自然の中で子ども達が自分で遊びを考え、生み出し、自分の責任で自由に遊びます。
子ども達はそうした遊びを通して、大いに楽しみながらも「興味を持ったことに没頭する」、「試行錯誤の中で工夫と挑戦を繰り返す」、「お友達との関わり合いの中で我慢を覚える」等の経験が得られます。

春のあたたかな気候と森の心地よい涼しさの中で、薪割りや火おこしをはじめとした飯ごう炊さんに挑戦し、思う存分自然を満喫した子どもたちの様子をお届けします。

集合は朝8:20、JR新宿駅の新南口。毎回子ども達の集合時刻の前にスタッフミーティングを行い、子どもたちが安全かつ楽しく活動できるよう、一日の流れや注意点を改めて確認しています。厳正な選抜を通過し、事前に研修を受けたリーダーたちも、子どもたちを迎え入れることを心待ちにしており、準備万端です。

スタッフミーティングが終わると、間もなく子どもたちの集合時間になります。新年度最初の野外活動に胸を高鳴らせた子どもたちが集まり、元気な声が響いていました。「今日は火おこしやるんだって!」「虫、たくさんいるかな?」そんな声が飛び交い、あちらこちらで期待に満ちた笑顔がこぼれています。

お気に入りの虫かごや、虫網、水筒、など、それぞれの「冒険セット」を持ってきた様子です。今回が初参加という子も多く、リーダーからもらった熊鈴をリュックサックに着けながら、「どんな一日になるのかな?」と目を輝かせる様子も見られました。一方で、大好きな保護者やきょうだいと離れてしまい、不安な様子を見せる子にも、スタッフが寄り添い少しでも不安を払拭できるように、コミュニケーションを図ります。

今回は、子どもたち、付き添いの保護者の方々、スタッフを合わせた総勢30名での活動となりました。
スタッフの自己紹介が終わると、いよいよ出発です!お見送りの保護者の皆様に元気よく「行ってきます!」と挨拶をして、ホームへと向かいます。昨年同様、土曜日の朝でも、駅構内や電車の中は混みあっていましたが、グループごとにスタッフやリーダーの指導のもと、整列し、電車を待ちました。周りの迷惑にならないよう、リーダーたちもしっかりと目を配りながら、行動を共にします。

電車の中では、子どもたちは車窓を流れる風景に興味津々の様子。窓の外を見ながら、「あれは貨物列車だよ」という子や「あとどれくらいで着くのかな」といった声をあげる子など反応は様々です。
中でも印象的だったのは、興奮して声が大きくなった下級生に対して、「他のお客さんもいるから、もうちょっと静かにしよう」とやさしく声をかける上級生の姿。子ども同士の中で自然に育まれていく社会性や思いやりに、感心しました。

やがて高尾駅に到着。トイレ休憩を済ませ、今度は路線バスに乗り継ぎます。バスの中も混雑していましたが、子どもたちは静かに座り、時折窓の外に目を向けては「川が見えた!」「あの山に登るのかな?」と小さな発見に心を躍らせていました。

バスを降りた後は、いよいよ森の中へ。目的地までは15分ほどの道のり。道中、木々の隙間からこぼれる木漏れ日、小川のせせらぎ、鳥のさえずりに包まれながら、子どもたちは自然と一体となって歩いていきます。途中、川が蛇行する様子を見て、「どうしてグネグネしているのかな」という疑問を抱く様子も見られました。

現地に到着すると、車で先行していたてんげんじこどものいえのスタッフと、現地を管理しているスタッフの方が出迎えてくれます。さっそく全体での挨拶と、今日の活動についての注意点を確認。一通りの説明を受けた後、最初のプログラムまでは、いよいよ自由遊びの時間です。

子どもたちはさっそく思い思いの遊びに繰り出します。燃えやすそうな枯葉を集めて焚き火にくべたり、ゆらゆら揺れる丸太を渡り切るバランスゲームに挑戦したり、自然の中での遊び方は自由自在。ある子は、斜面に張ったロープを掴みながら木の根元を登り、「上まで行けたよ!」と得意げに声を上げます。別の子は、保護者の方に手伝ってもらいながら、大きな木のつるに登り、笑顔で風を感じていました。虫好きな子たちは「この虫、何の仲間だろう」と地面にくぎ付け。

大人がつい手を貸したくなるような場面でも、スタッフたちは少し距離を取りながら見守ります。滑りやすい斜面や、不安定な丸太の上など、子どもたちにとってはチャレンジの連続。でも、そのひとつひとつを自分の力で乗り越える中で、「ここは滑りやすいから気をつけよう」「この枝は折れやすいから別のルートを使おう」と、観察力や判断力が育まれていきます。

しばらく遊んだところで、企画の目玉である飯ごう炊さんが始まります。
まずは薪割りから。スタッフに手伝ってもらいながら、ナイフを使って太い薪を細く割っていきます。最初はおそるおそるだった手つきも、何度か繰り返すうちにコツを掴み、自分の力でしっかり割ることができるようになりました。

「こんなに小さくなったよ!」「火、つきやすくなったかな?」と、嬉しそうに薪を見せてくる子どもたちの姿に、活動を通して芽生える達成感がにじみます。

薪がそろったら、次は火おこしです。新聞紙を丸め、その上に自分たちで集めた杉の葉や松ぼっくり、細かい枝などを丁寧に積み上げます。初めて触るマッチに、少し緊張した面持ちの子どもたち。「怖いけど、やってみる!」と一歩を踏み出し、パチッという音とともに小さな炎が生まれた瞬間、「ついた!」「火がついた!」と大歓声が上がりました。

火が安定してくると、いよいよごはんを炊き始めます。飯ごうの中には、子どもたちが量って入れたお米と水。重くなった飯ごうは、水道から運んでくるだけでも一苦労。炊き加減を気にしながら、火加減を保つためにうちわで扇いだり、追加の薪をくべたり。煙に目を細めながらも、どの子も一生懸命でした。

「もう少しで沸騰しそう!」「あ、シュウシュウ言ってきた!」と、音や匂い、目で見て感じる火加減の変化に、子どもたちは夢中になって取り組みます。

炊き上がったごはんは、リーダーたちが盛り付け、食卓へ。並行して屋内でスタッフが用意していた豚丼の頭と一緒に、お皿に盛りつけていきます。

「いただきます!」の挨拶とともに、待ちに待った昼食の時間。
「ちょっとおこげがある!でも、それが美味しい!」
「ごはんふっくらしてる!」
「自分たちで炊いたごはんって、なんでこんなに美味しいんだろう?」
と、笑顔と会話があふれる時間が流れます。

子どもたちにとっては、「食事」という日常的な行為も、ここでは特別な学びの時間。食材の扱い方、火の使い方、グループで協力して作り上げる達成感など、日々の暮らしを自分たちの手で形作るという体験は、自然体験活動ならではの大きな魅力です。

食後は、もう一度、自由な時間です。思い思いに森の中で過ごします。
火おこし場に集まり、残った枝や葉を使って最後の焚き火を楽しむ子。虫取り網を片手に森の奥へ向かう子どもたちもいれば、まだまだ元気いっぱいとばかりに、リーダーたちと鬼ごっこや穴掘りに興じる子たちも。

また、この日は6月に控えたファミリーキャンプに向けて、テント設営の練習も行われました。
「ポールを持ってて!」「あ、ここ逆だったかも」と、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ完成させていく様子は、小学生とは思えないほど頼もしい姿です。

「できた!」「中、入ってみよう!」と完成したテントの中で飛び跳ねる子どもたちの顔には、達成感と期待感がいっぱい。キャンプ本番への気持ちも、自然と高まっていったようでした。

帰りの時間が近づくと、それぞれが持ち物の確認と着替えを済ませ、使った場所をきれいに整えます。全員で「ありがとうございました!」と元気に挨拶をして秘密基地を後にし、バス停へ向かいます。

帰りのバスでは、行きとはまた違う静けさがありました。
「火をつけるとき、ドキドキしたね」と今日の出来事を振り返る子や、疲れ切って夢の世界に旅立つ子の姿も。
電車の中でも、行き同様に子どもたちはマナーを守りながら過ごし、無事に新宿駅に到着。お迎えの保護者の方々と再会し、スタッフから全体への報告を行った後、解散となりました。

次回の「森の幼稚舎」は、2025年7月開催予定の「清流沢遊び編」です。夏が近づく森で、冷たい沢に足を浸しながら、思いっきり自然と遊び、学ぶ時間をお楽しみに!

現在、5月以降の体験活動およびキャンプへのお申し込みを受付中です。
一部の企画では、すでに定員に達しているものもございますので、ご検討中の方はどうぞお早めにお申し込みください。

てんげんじこどものいえの活動、今後ともぜひご注目ください!

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