
【活動報告】東京都亜熱帯区 八丈島キャンプ(2025年8月8日~13日実施)
4日目の朝、子どもたちは宿を出て、地元のスーパーである「八丈ストア」へ向かいました。店内には本土ではあまり見かけない食材や調味料、島ならではの加工品が並びます。「この魚は何?」「この野菜、見たことない!」と、商品一つひとつに興味津々。ただ物を眺めるだけでなく、値札を見て「東京より安いね」「これは高いね」と話し合いながら、島の物価や暮らしの違いにも気づいていました。こうした体験を通じ、日常の生活と地域性のつながりを実感する機会となります。
そしてここでは、子どもたちにおやつを一つ買ってあげることに。今日遊びに行く、乙千代ヶ浜でのお楽しみのためです。決められた金額の中で、子ども達は真剣に選ぶ姿がありました
そしてたどり着いたのは、島の南西に位置する乙千代ヶ浜の海水タイドプール。
ここは岩に囲まれた安全な遊び場で、外海が荒れていたとしても波の影響が少なく、安心して泳ぐことができます。水温や浮力の感覚を確かめながら泳ぐ子どもたちの表情はとても生き生きとしていました。







この日は風が強く、取水口から入ってくる海水も砂が巻き上げられてやや濁り気味ではありましたが、岩場に潜む、小さなカニや魚、貝、海藻など、自然の中にある小さな生きものたちの暮らしを間近に観察。「こんなところに魚がいるよ!」「ここにカニが隠れてる!」と、発見のたびに歓声が上がります。海の生き物を見つけては仲間と見せ合い、共有する姿は、探究心と協調性の両方を育む時間でした。




子どもたちは持ってきた水鉄砲で水を掛け合ったり、スタッフが用意したボートに乗ってぷかぷか浮いてみたり、思いのままに遊びを展開します。スタッフが見守る中で、自分のペースで、自分のしたいことを選び取り、遊ぶ姿に子どもたちが主体的に環境に関わっていこうとする力の育ちが感じられます。
お昼は海から上がり、午前中のスーパーで購入してきた、八丈島名物「島寿司」をいただきました。運営責任者の20年間の経験の中で、「八丈ストア」のお寿司は、島のお寿司屋さんにも引けを取らないほど美味しいことを知っており、ぜひ大自然を感じながら食べて欲しいという願いに基づく計らいです。八丈島の海を眺めながら食べる島寿司は絶品で、甘辛い醤油に漬けた魚の独特の味は、初めて食べる子も多く、「お魚に味が染みてておいしい!」と新しい味覚体験を楽しんでいました。また八丈島の特産である岩のりのお寿司も大人気で、こうした島料理の背景にある漁業や保存の工夫についても触れつつ、食文化と自然環境の関わりに目を向けるきっかけになりました。



乙千代ヶ浜でたっぷりと遊び、お昼過ぎには「裏見ヶ滝」の見学へ向かいました。ジャングルを進んでいくと、だんだんと滝の音が聞こえてきます。そして目の前には、水量たっぷりの迫力ある滝が現れました。正面からではなく裏側から滝の流れを眺められる珍しい景観に、子どもたちは驚きの声を上げます。岩肌を伝う水の音や冷たいしぶきは、島の豊かな水資源を肌で感じさせてくれました。





その後は「裏見ヶ滝温泉」へ。男女混浴で水着で入る、開放的な露天風呂で、これまでの登山や海遊びの疲れを癒します。入浴後の子どもたちの表情はすっきりとし、心も体もほぐれた様子でした。他のお客さんにも配慮して公共のマナーを意識して行動する姿も見られ、日々の生活習慣が確実に身についてきています。




海遊びに、大自然の温泉にと大充実の1日でしたが、この日は夜の活動まで盛りだくさんです。心待ちにしていた花火大会に出かけ、芝生にシートを敷き、寝転んで夜空を見上げると、間近で打ち上がる花火が次々と色鮮やかに広がります。「近い!」「大きい!」という歓声と笑顔があふれ、その迫力に息を呑む子も。仲間と肩を並べ、同じ景色を見つめる時間は、言葉以上に深いつながりを生み出します。この日の締めくくりにふさわしい、心に残るひとときとなりました。




この日は、買い物や食事、自然観察を通して島の暮らしや文化に触れ、海や滝で自然の力を体感し、夜は花火を仲間と共有する、多彩な体験が連続する一日でした。お友達同士もすっかり打ち解け、和やかな関係性の中、それぞれの場面で培われた、不思議に向き合う探究心、島の人々や自然への感謝の心、集団生活で求められる協調性は、キャンプ後の日常にも息づく大切な財産となっていきます。
くさや工場にビジターセンター、そして見晴らしの湯の入浴、光るきのこにペルセウス座流星群観察と、最後まで八丈島を満喫する様子は次のページで
レイメイキングに自由遊びにと、最後まで八丈島を満喫する様子は次のページで

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