【活動報告】森の幼稚舎 -DAY CAMP編-(2023年4月22日実施)

2023年4月22日(土)、今年度第1回目となる「森の幼稚舎」を開催しました。

この体験活動は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中でも特に人気を集めており、当日は多くの子どもたちが参加しました。2月に実施した「森の幼稚舎-冬の森探検編-」では、地面に霜柱が立つ冬景色の中、寒さを吹き飛ばし元気いっぱいに森の中を駆け回る子どもたちの姿がありました。今回実施した「森の幼稚舎-DAY CAMP編-」では、春の暖かな気候と森の心地よい涼しさの中で、薪割りや火おこしをはじめとした飯ごう炊さんにも挑戦し、思う存分自然を満喫しました。

集合は朝8:30、JR新宿駅の新南口です。集合時刻の前にスタッフミーティングを行い、受付の確認事項や一日の流れについて改めて共有し、子どもたちが安全且つ楽しく活動できるよう認識を合わせます。今回は参加者の人数が多かったことから、スタッフの人数も増やし、子どもたちを手厚くサポートできる環境を整えました。子どもたち、付き添いの保護者の方々、スタッフを合わせて総勢39名での活動です。

さて、スタッフミーティングを終えると、子どもたちが集まり始めます。受付を済ませた子は、さっそく持参した虫網を見せ合いながら、お友達と今日の活動についてわくわくした様子で話しています。初めて参加する子も、プレゼントで貰った熊鈴を嬉しそうにリュックに付けている姿が見られました。

さあ、スタッフの自己紹介が終わると、いよいよ出発です。お見送りの保護者の皆様に元気よく「行ってきます」の挨拶をして、新宿駅のホームへと向かいます。

日曜日の朝とはいえ、電車の中はかなり混雑していました。子どもたちは周囲に迷惑がかからないよう、小さな声でグループのお友達やリーダーとコミュニケーションを取ります。中には、今日の活動が楽しみで落ち着きのない様子を見せる下級生に対し、「しー」と口に人差し指を当てたり、「周りの人の迷惑になるよ」と言ったりして指導する上級生の姿も見られました。大人に頼るだけでなく、子どもたち自身が互いに注意し合い、社会性や常識を学び取っていくことは、幅広い学年の子どもが参加する体験活動の教育的意義とも言えます。

「僕ね、マッチをつけることが得意だよ」「僕は燃えやすい葉っぱを沢山集めるよ」など、さっそく現地での役割分担を話し合う様子や、「高尾駅まではあと何駅だろう」「この電車は各駅停車と待ち合わせするのかな」など、電車に関心を抱く子どもの様子も多く見られました。

高尾駅に着くと、さっとトイレを済ませてバスに乗り継ぎます。バスの中もかなり混雑していましたが、子どもたちは身動きが取れない中でも、お行儀よく過ごすことができていました。

バスが到着すると、現地まで歩きます。道中、子どもたちは木々の隙間から見える小川のせせらぎに癒されながら、さっそく燃えやすそうな杉の枝や落ち葉を集め、両手いっぱいに抱えた状態で秘密基地へと向かいました。

現地に到着すると、秘密基地を管理するてんげんじこどものいえのスタッフの仲間や、石井先生が子どもたちを待ち構えていました。挨拶や注意点の確認などを済ませた後、自由遊びの時間が始まります。

木のツルを掴んで滑りやすい斜面を登ったり、手作りのブランコに乗って空を飛んだり、春の綺麗なお花を集めて花束を作ったりと、各々がその場にある自然を遊具として活用しながら、基礎的な身体能力と豊かな心を育んでいきます。中には、大人がつい手を差し伸べたくなるような、ハラハラする場面も見られます。しかし、子どもたちは自分の身体の使い方や周囲の状況により、時に危険が伴うことを実体験の中から学び取っていきます。このような小さな経験の積み重ねが、子どもたちの「生きる力」の一つである観察力や判断力を磨いていくのです。とはいえ、大きな怪我に繋がることのないよう、スタッフは次に起こることを常に想定して動き、子どもたちを静かに見守っています。

自由遊びの次は、今回のメインイベントである「飯ごうでごはんを炊こう」の時間が始まります。まずは薪割り。ナイフを使って木を細く燃えやすい形に割っていきます。スタッフのサポートのもと、子どもたちは教わった手順に従って真剣に取り組み、上手に薪を割ることができていました。薪割りの次は、火おこしです。丸めた新聞紙に、自分たちが割った薪や、周囲に落ちている葉っぱなど、自然の着火剤を乗せていきます。初めてのマッチに緊張しながらも、無事に火を付けることに成功しました。火が強くなったら、いよいよお米を炊いていきます。炊き上がるまで火力を保つために、燃えやすい落ち葉や松ぼっくりを集めに走る子や、薪を足しながら一生懸命うちわで扇ぐ子どもの姿がありました。

いざ炊き上がると、子どもも大人も大喜び。並行して屋内で調理していたカレーと共に、自分たちのグループで炊いたお米をお皿に盛っていきます。食べ始めると、「あれ、少し苦味がある!」「こっちは甘い、上手に炊けている!」などといった感想が、あちこちから聞こえてきます。子どもたちは、自分が調理したお米を実際に食べることで、火加減やタイミングによって食材が大きく変化することを経験します。とはいえ、大好きなカレーと共に食べるご飯の味は格別です。おかわりの行列により、大量に作ったカレーとお米は、あっという間に消えていきました。

「ごちそうさま」と片付けをしたら、すぐさま遊びを再開します。ハンモックで揺らされる子、草むらに隠れる虫を捕まえては虫かごに集める子、秘密基地の中心にある火おこし場で火を焚き続ける子。子どもたちは、それぞれが自分の好奇心の赴くまま、思いっきり身体を動かします。他にも、今度の6月のキャンプに向けて、テント張りに精を出す子も。「まだ杭を打ててない所があるよ!」「僕が押さえておくから、ここのテープを貼って」など、色々な年齢の子どもたちが垣根なく協力し、助け合う姿が見られました。完成したテントに入ると、自分たちが作り上げた別空間に大はしゃぎ。

帰りの時間が近づくと、汚れた洋服を着替えたり、さっとシャワーを浴びたりして、出発の準備を整えます。全員で記念写真を撮ると、いよいよ秘密基地とのお別れです。石井先生や現地のスタッフに挨拶をして、帰りのバス停に向かって歩き出します。どんなに疲れていても、最後まで自分の足で歩き、無事に家に帰るまでが体験活動です。バスや電車の中では、思い出話に花を咲かせる子もいれば、電池が切れたように満足した表情で夢の中へと誘われる子も多くいました。

新宿駅に着いたら、お迎えの保護者の方に子どもたちを引き合わせ、全体への簡単なご報告の後、早めの解散となりました。

次回企画は、5月27日(土)開催の「トトロの森の田植え体験」です。JR高田馬場駅から西武鉄道沿線の北山公園へ向かい、江戸時代から続く田んぼで、実際に田んぼに入って苗の植え込みを行います。その後も、夏に向けた企画が多数あります。子どもたちにとって、貴重で豊かな体験機会をお見逃しなく!

てんげんじこどものいえでは、現在8月までの全てのキャンプ・体験活動のお申し込みをお受け付けしております。

会員先行受付期間に定員の過半数となるお申し込みをいただきましたことに加え、3/26より開始した一般受付からも多くのお申し込みをいただきました。すでに7月8日(土)開催予定の「森の幼稚舎 ー清流沢遊び編ー」は、ご好評いただき定員に達しております。

また、7月23日(日)~26日(水)と8月9日(水)~14日(月)開催予定のキャンプにつきましても残り僅かとなっております。ぜひこの機会に申し込みください。

国立・私立小学生からの圧倒的な支持を誇る当会のキャンプ、今後とも是非ご注目ください。

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