【活動報告】Family and Kids Camp(2024年6月8日~6月9日実施)

2024年6月8日から6月9日にかけて、「Family and Kids Camp in Karuizawa」を開催しました。群馬県に位置する北軽井沢の緑豊かな地で、自然の中を駆け回る子どもたちの様子をお届けいたします。

今回のキャンプでは、現地の設営に時間を要するため、スタッフは前泊して準備に取り掛かりました。タープを立てたり、テントや炊事場の支度を整えたりして、子どもたちが安全且つ楽しく活動できるよう、万全のフォロー体制を整えます。

当日は、13名の子どもたちが参加し、リーダーと協力しながらテントを立てたり、ご飯を作ったりと様々な活動を行いました。スタッフは総勢12名で、お子様だけでなく多くの保護者の方々にもご参加いただき、とても賑やかなキャンプとなりました。

1日目

1日目は、11:00~12:00に受付を行います。土曜日で道が混むことも想定し、集合時刻は長めに設定しました。11:00を過ぎると、車に乗って期待に胸を膨らませた子どもたちが集まり始めます。お泊まりは経験したことがあっても、テント泊は初めての子どもばかりです。受付を済ませて車を停めたら、さっそくスタッフが用意したハンモックに揺られたり、リーダーと共にタープの下を走り回ったりする子どもたちの姿がありました。

参加者が揃い、開始時刻になったところで、開会式を行います。スタッフの自己紹介と、怪我や事故が起きないよう現地での約束事を確認したら、いよいよファミリーキャンプのスタートです!

まずは、スタッフの指導の下、自分たちが泊まるテントを張っていきます。今回設営するテントは、大人4~5人が寝泊まりできるファミリーテントです。大人だけでなく、子どもたちも説明をよく聞いて、積極的にテント設営に参加します。ポールを繋げたり、ペグを打ったりして、他のお友達やご家族と協力しながら、みんなで一つずつテントを立ち上げていきます。

「ここのペグは私が打つよ」「そっち側を押さえてくれる?」と、子ども同士でも声を掛け合い、協同してテントを張る姿には感心させられます。これは、まさに子どもたちの中で社会性が育まれている瞬間です。

ペグを打つ時にも、テントをしっかりと固定するための角度や、雨水が入ってこないよう打ち込む場所をきちんと考えることが大切です。子どもたちは、どちらの向きにすると引っ張られても崩れないように固定できるのか、どの程度の距離に打ち込むと良いのか、地面が硬くてなかなかペグが入らない時にはどうしたら良いのかなど、実際に体験する中で疑問を持ち、自分で考え、時には周囲の人に尋ねながら答えを探求していきます。

このような実体験の中で「生きた問い」を見つけ、それを解決していく力こそ、これからの時代で求められる「生きる力」の源となります。身の回りのことを何でも大人にやってもらうのではなく、自分で泊まるテントは自分で立てる、お友達のテントも自ら進んで手伝うなどの経験を積むことで、協働の先にある確かな達成感や知性、道徳性を身に付けていきます。

そうして、テント設営に格闘すること約1時間半、全てのテントを張り終えました。自分で組み立てたテントに、大人も子どもも大喜び。テントの中は、子どもたちにとっての秘密基地です。さっそく中に入り、大の字になって寝転がったり、チャックを開けて顔を覗かせたりと、今晩の寝床がとても気に入った様子でした。

車からテントの中に荷物を運び込んだら、しばらくは自由時間です。持参した虫網や虫かごを持って虫取りを始める子、木やテントの間を走り回って鬼ごっこをする子、焚火の木々を集めて火おこしの準備を手伝う子など、各々が自然の恵みを自らの想像力によって遊び道具に変えながら、思う存分自然遊びを楽しみます。

一方、保護者の方々は、ベンチや椅子に腰かけて一休みです。風に揺られてサワサワと音を立てる新緑、道の横を流れる小川のせせらぎ、木々に囲まれた新鮮な空気に癒されながら、子どもたちが駆け回る姿を横目にほっと一息つきます。仲良しのご家族でご参加いただいた方々や、現地でご家庭同士の交流を深められている方もおり、楽しく穏やかなひと時を過ごすことができました。

自由遊びの後には、いよいよ子どもたちが楽しみにしていた薪割り・火起こし体験が始まります。スタッフによる丁寧な指導の下、怪我のないよう気を付けながら作業に取り掛かります。まずは、薪割りです。ナイフを使って、木を細く燃えやすい形に割っていきます。保護者の方にサポートいただき、子どもたちは教わった手順に従って真剣に取り組み、太くて立派な薪に苦戦しながらも、上手に割ることができていました。

薪割りの次は、火おこしです。新聞紙を軽く丸めて、その周りを太い薪で囲み、自分たちが割った薪と集めた枝を組み立てていきます。空気の流れや燃え移る仕組みなどを考え、どのように組み立てると上手に火が付くのか、大人も子どもも試行錯誤しながら取り組みます。

焚き木を組み立てたら、早速マッチで火をつけていきます。子どもたちは、初めてのマッチに緊張しながらも、細くて小さな棒から火がうまれる瞬間に興味津々です。風に揺られて火が消えたり、新聞紙にうまく燃え移らなかったりと何度も失敗しながら、最後には無事に火を付けることができました。火が付いたら、お米を炊く火力を保つために薪を足し、お友達と共に一生懸命にうちわで扇ぎます。

そうして火起こしをしている合間にも、お米を炊く準備をします。ご飯は飯ごうで炊き上げるため、ふっくらとした艶々のご飯を炊けるよう、お米と水をしっかりと量ります。準備が整ったところで火にかけ、火力が落ちないよう火加減を調整します。

火にかけてしばらく経つと、次第に中から水が溢れてきます。水が溢れきると水蒸気が上がり始め、ふっくらご飯が完成します。子どもたちはじっと飯ごうを見つめながら、まだかまだかと首を長くして、水が溢れきるのを待ちます。途中、スタッフが蓋を開けて中を確認すると、まだ水が残っています。そんな時は、「あと30秒くらいかな?」「みんなで数えよう!」と、その場にいる全員で元気よくカウントダウンをして、ご飯が炊きあがるのを待ちました。

そうして、ついにふっくらご飯が炊きあがると、「やったー!」という喜びの声が辺りに響き渡ります。お米を食べられることが当たり前ではないということ、沢山の人の努力や苦労の先に美味しいご飯があることを、子どもたちはこのような実体験の中から学び取っていきます。さっそくお皿に盛って、スタッフが作った特製カレーをたっぷりとかけたら、サイドメニューのサラダや揚げたての唐揚げも添えて、豪華な夕ご飯の完成です!

元気よく「いただきます!」と挨拶をして、家族やお友達と一緒に仲良く座って食べ始めます。口に入れた途端、あちこちで「おいしいー!」と感嘆の声が上がります。美しい自然の中、自分たちで一から炊き上げたカレーライスの味は格別です。子どもも大人も、お腹が膨れ上がるまで何度もおかわりをして、外で食べる夕ご飯を楽しみました。

食後は、お皿を片付けたり、テーブルを拭いたり、調理器具を洗ったりと、片づけも自分たちで行います。飯ごうは、繰り返し丁寧に洗い続け、煤で真っ黒になった表面をピカピカになるまで磨いていきます。「これをやりなさい」ではなく、「誰か手伝ってくれる人?」「これをやってくれる人?」というリーダーたちの声に反応し、自ら進んでするべきことを探す姿から、子どもたちの主体性に重きを置く体験活動の教育的な意義を感じます。

片付けが終わったら、自由時間とお風呂の時間です。キャンプ場のシャワーを順番に利用し、たくさん遊んでかいた汗を流します。全員がお風呂を終えたところで、いよいよ夜のキャンプファイヤーが始まります!

焚火の回りに椅子やベンチを置いて、みんなで仲良く火を囲みます。スタッフの準備が整ったところで、子どもたちが待ちに待ったデザートタイム、焼きマシュマロ作りを行います!串に刺したマシュマロを、ほんのり色づいてトロトロに膨らむまで、焚火の火にじっくりと当てていきます。子どもたちは、わくわくした様子で自分のマシュマロを見つめながら、食べ頃になるのを待っていました。

そうして、焼き上がったマシュマロをクラッカーで挟み、大きなお口でパクリ。口いっぱいに広がるマシュマロの甘さに、思わず笑みがこぼれます。あまりの美味しさに、カレーをたくさんおかわりしたことも忘れて、子どもたちは口の周りにマシュマロをたっぷりと付けながら、夢中になって食べていました。

こうして、初日に予定していたプログラムを全て終え、歯を磨いて今夜の寝床であるテントへと向かいます。初めて入る寝袋の心地よさに興奮しながらも、丸一日思いっきり楽しんだ疲れから、子どもたちはぐっすり。今日の思い出と、明日の楽しみに胸を膨らませながら、気持ちよく眠りについたことでしょう。

子どもたちが眠ったら、ここからは大人の時間です。火を囲みながら、受験や子育てに関する悩み等を話し合う相談会を実施しました。親同士のコミュニティを広げ、日頃心のうちに溜めている想いを言葉にして様々な価値観や考え方に触れることも、親御様にとっての大切な学びへと繋がっていきます。子育てとは何か、子どもの幸せとは何か、教育の本質を見つめ直すとても有意義な時間となりました。

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