【活動報告】西伊豆アドベンチャーキャンプ(2024年7月23日~7月26日実施)

「西伊豆アドベンチャーキャンプ」の2日目のご報告です。

西伊豆の朝は、毎年のことですが小鳥たちのさえずりとともに夜が明けます。決して標高が高いなどの条件があるわけではないのですが、朝方はかなり涼しく、爽やかな目覚めを迎えることができます。

子ども達も、起床時刻より少し早めに目を覚まし、早く活動を開始したくてうずうずしている様子です。

朝一番にすることは、顔を洗って歯を磨き、健康チェックを済ませたら、お布団をきちんと畳んでお部屋の隅に寄せることです。みんなが同じ部屋で気持ちよく過ごすため、自分の荷物をきちんと整理整頓します。

身支度を済ませて外に出たら、朝の体操で頭と体をほぐし、1日のスタートを切ります。

2日目の食事はオール野外炊事。と言っても、朝食と昼食はスタッフの給食で、食器洗いのみ自分たちで担当。子どもたちが調理にあたる本格的な炊事の、夕食のカレー作りに向けて、段階的に指導を行います。

まず、朝のエネルギーを蓄えるメニューは、鉄板で焼き上げた特製ホットケーキ! それから、ウインナーとフルーツをお皿に盛り、さらにフルーツジュースも加えて栄養も満点です。朝から元気よく「おかわり!」の声が響く中、今日一日遊ぶ力を蓄えました。

そして、朝食後は、お待ちかねの川遊びです!

宿舎脇の流れは、上流域で川幅も狭く、やや流れが急な場所もあるために、流れが穏やかになる下流までマイクロバスで移動します。

はじめに「スタッフが見守っている場所より外側には行かない」「遊び道具や靴などの物がもし流されても、追いかけない」など、自然の中の活動を安全に楽しむための約束を確認しました。

さらに初めにスタッフが川の中に入って見守りポジションを決め、特に下流側を手厚く配置します。まず「遊びはここまで」の位置に1名、そしてそのさらに下流に「万が一流された時の最後の砦ポイント」を設けて2名、というように合計3名を下流側に配置し、不測の事態にも備える万全の体制で遊びを開始しました。

そして初めは狭い範囲で子ども達の様子を見ながら、少しずつ遊んで良い範囲を拡大して、安全かつ、フィールドの魅力を存分に楽しめる環境づくりを行います。やがて、安全を確保しながらも、十分に広いところまで遊んで良い範囲を拡大した後は、ボートやライフジャケットを用いて川の流れに身を任せる、水流を生かした遊びにも取り組みました。

子どもたちは普段はできない自然のウォータースライダーに大興奮で、流される感覚を楽しみつつ、何度も上流まで引き返しては、水の勢いを楽しんでいました。

そのほかにも、川の中を歩き回り、水鉄砲で水をかけ合う中で、時には流れに足を取られそうになったり、岩に滑って転んだり……。剥き出しの自然にぶつかるようなワクワクする体験が、子どもたちの逞しさを引き出していきます。

夏の照りつける日射しの下、川の流れの冷たさが大変心地良く、子どもたちは元気に川遊びを楽しみました。

宿泊所に戻って着替えを済ませ、昼食の時間です。お昼のメニューは、てんげんじこどものいえのキャンプで大人気の焼きそばです!

大きな鉄板で豪快に調理しする様子に、子どもたちは大興奮。

肉、キャベツ、にんじん、もやしに加え、朝食ウィンナーの残りも入り、栄養のバランスも考えた具沢山の特製焼きそばは毎年大人気。「こんな美味しい焼きそば、食べたことない!」と大喜びで平らげてくれる子どもたちの様子に、汗を流しながら作ったスタッフもにっこりです。

昼食後は、しばらく自由時間。暑さの中で活動している子どもたちが体を休める時とし、またこの時間を利用して、3日目の夜に行うキャンプファイヤーで発表するスタンツ(即興劇)の話し合いや練習を、グループごとに行います。リーダーと一緒に相談しながら、一つの内容を作り上げていくことで、子どもたちが人前でも臆せず自己表現できる力を養っていきます。

自由時間後は、おやつの時間となりました。子どもたちの体を冷やす目的で、かき氷の提供です。

かき氷屋に扮したスタッフの一人が、「へい、らっしゃい!」「かき氷一丁!」と掛け声を挙げながら、スタッフが子どもたちの目の前で氷を削ります。子どもたちはお好みのシロップを選んで、暑い中だからこそ嬉しい絶品デザートをいただきました。

冷たいかき氷でリフレッシュしたら、いよいよ「カレー作り」が始まります!

朝食と昼食で、野外で食事をすることの感覚を学んところで、夕食は最初から最後まで、子どもたちが自分の力で作り上げることが目的です。リーダーの指導のもと、グループ内でも飯盒の米の計量をする係、火おこしをする係、食材を切る係などに分かれ、役割分担と協力をしながら、一人ひとりが自分の力を仲間のために生かして作業を進めます。

中には、包丁やピーラーを初めて持つ子もいて、恐る恐るながらも、リーダーのサポートのもと、野菜をゆっくりと一口サイズに切っていきます。

その一方で普段からご家庭内でお料理のお手伝いをしている子もいて、慣れた手つきでどんどん切っていくグループもあります。普段お家の方が料理してくださることへの感謝が、実際に調理を経験する中で芽生えてきます。

お米を炊くにも、まずは火起こしからです。

これまでにてんげんじこどものいえの「森の幼稚舎」の活動など、別の活動にも参加したことのある子は、火おこしのコツをよく分かっていて、新聞、細い薪、中位の太さの薪を順番に上手に組んで火をおこしました。何度か失敗しながら取り組んでいるグループもありましたが、試行錯誤の経験が、あきらめずに工夫を重ねる姿勢を育むことにつながります。

飯盒でお米を炊く時に重要なことは、火加減と炊き上がりの見極めです。強火でと熱を入れ、蓋が浮いてきたら薪を置いて重しにし、ふきこぼれの水が止まったら火力を落として少し待ち、その後は火から下ろして蒸らすという調理の過程を、初めて知った子どもたちもいたようでした。

さらに鍋で野菜や肉を炒めて、水を加えて沸騰させ、煮込んでいる間の時間で日記を書いて、すべての食材に火が通ってからルーを加え……そうして、およそ1時間半後、ようやくカレーライスの完成です!

自分たちで一から作ったご馳走の味は、格別で、驚くほど美味しい出来上がりにみんなニコニコ顔です。

スタッフが細かく見守りアドバイスを受けながらではありながらも、全て自分たちの力だけでやり遂げたかのように誇らしげな顔つきでもありました。

自分で食べるものを自分で作るという、生活の仕事を自らやり遂げる経験は、子どもたちの心の中に残り続けることでしょう。

食事を終えたら、みんなでお片付けです。灰で真っ黒になったお鍋や、カレーがたっぷりついたお皿を全員で協力して洗っていきます。

ピカピカに洗い上げたつもりでもスタッフのところに持っていくと「ここにお米がまだ残っているよ」「まだ黒い煤が手につくよ」などと、何度かやり直しになるグループもあれば、一方ではじめからピカピカに磨き上げて一発合格となり、「よっしゃー!!!」と大声で喜びを表現するグループも。

洗い物のように、大変だけれど生活には必要な仕事も、それ自体を遊びに変えてしまう子どもたちの力や感性は偉大です。

宿舎に戻って寝る支度を整えた後は、楽しみにしていた手持ち花火大会です!順番に花火を受け取り、夜の闇の中で輝く光に、子どもたちの目もキラキラしているのが印象的でした。

みんな大満足で宿舎へと戻り、歯磨きや健康チェックを終えてお布団に入ると、子どもたちは一日を楽しみ尽くしたと言わんばかりに、朝までぐっすり眠っていました。

3日目の様子は次のページへ続きます。

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