【活動報告】森の幼稚舎(2022年4月24日実施)

2022年4月24日(日)、今年度初となる「森の幼稚舎」を開催しました。

「森の幼稚舎」は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中でも特に人気のイベントです。前回2月に実施した際は、雪が残る森のフィールドで子どもたちは寒さを跳ねのけ活動しました。今回は春のうららかな日和の中で自然を満喫したいところでしたが、あいにくの空模様で、雨がパラパラと降り続ける一日。しかし、この日も子どもたちは天気をものともせず元気に活動を行いました。

集合は朝8:30、JR新宿駅の東南口です。朝のスタッフミーティングでは、改めて受付の確認事項や本日の流れ、感染対策について共有を行い、子ども達が安全に楽しめるよう認識を合わせます。今回も、これまでの実施経験で蓄積したノウハウをもとに、感染対策をしっかりと施した上での屋外活動を中心とした時間を提供することができました。

スタッフミーティングを終え、続々と集まってくる子どもたち。曇り空もなんのその、とても晴れやかな笑顔で期待に胸を膨らませています。日曜日の朝とはいえ、少しずつ新宿駅も人が増えてきます。蜜を避けるため、お見送りの保護者の皆様に「行ってきます」のあいさつをして、早速出発です。子どもたち、お付き添いの保護者、スタッフを合わせて、総勢26名での活動です。

電車の中では、大人が何も言わなくても、子どもたちはどう過ごすべきか自分で考えて行動していました。リピートで参加している子どもたちは慣れた様子でお手本となり、初参加の子どもたちもそれを見て公共の場での振る舞いを学びます。活動を重ねる中で、自然と良いサイクルができているようです。子どもたちが社会性や常識、様々な能力を身に付けていく過程では、誰かに教えられるばかりではなく、自ら主体的に学び取っていく姿勢こそ、より重要なことと言えます。「建物がすごく速く過ぎていくよ」「だけど遠くの山はずっと見えているね」、そんな会話をしながら静かに景色を楽しんだり、「着いたら何して遊ぼうか」と相談したり。お行儀良くしているときも、笑顔が絶えることはありませんでした。

高尾駅からはバスに乗り継ぎです。前回もお世話になった京王バス様は、今回も増発便を貸切状態で用意してくださいました。感染リスクの低減はもちろん、子どもの多い集団でまとまって行動する上でも、非常に安心して過ごすことができましたのも、バス会社の方々のご配慮あってのことです。心より感謝申し上げます。

バスが到着し、秘密基地へ向け「さあ、歩こう!」というところで、ぽつぽつと雨が降り出しました。レインコートを羽織り、子どもたちはぐんぐんと林道を登っていきます。春の花々を見つけて、ハイキングをしているご一行にあいさつをして……あっという間に到着です。

秘密基地では、現地を管理する、てんげんじこどものいえのスタッフの仲間が待っていました。みんなで元気良く「よろしくお願いします!」とあいさつをして、自由遊びの時間です。最初に始まったのはなぜか虫取り合戦。雨で活発になったのか、足元の草むらでたくさんの小さなヒシバッタがピョンピョンと跳ねています。ほとんどの子どもたちが、持参した虫取り網や虫かごを使って、夢中で虫を追いかけます。ほかにも、トカゲやカタツムリ、土の中の幼虫など、様々な生き物との出会いがありました。

雨で足元が滑りやすくなっていることもあり、森のフィールドは決して安心安全の守られた環境とは言えません。前回の雪が積もった環境も同様でしたが、子どもたちは「このラインを越えたら本当に危険」という手前の小さなヒヤリを実感することが、生きた経験として子どもたちの観察力、判断力を磨いていきます。大人が見ていてハラハラしてしまう場面でも、子どもたちは小さなチャレンジを積み重ねて、たくましく成長します。

今回のメインイベントである「飯ごうでごはんを炊こう」でも、そのようなチャレンジの機会がたくさんありました。まずは薪割り。ナイフを使って木を細く燃えやすい形に割っていきます。初めて使う刃物に緊張しながらも、真剣な表情で取り組む姿が見られました。少し年長者の小学生は、「なた」を使った薪割りにも挑戦しました。そして、火起こしのとき、飯ごうを火にかけるときも、どのくらい火に近付かないといけないのかを実際に知って、勇気を出して一歩、もう一歩、と果敢に挑みます。

「炊き上がりました!」スタッフの大きな声に、子どもも大人も拍手をしながら大喜び。並行して屋内で調理していたカレーも完成すると、待ちきれないとばかりに、手を洗って配膳に取り掛かります。そして、てんげんじこどものいえのイベントで恒例の、「いただきますを言ってくれる人?」の声掛けでは、多くの子どもたちが名乗りを上げてくれました。元気良くいただきますをしたら、静かに食事をします。みんな大好きなカレーライスですが、今日のメインはあくまで「ごはん」。子どもたちのがんばりが実って、子どもも大人も「ごはんがおいしいね」と言って、おかわりの列がなかなか途絶えませんでした。

ごちそうさまをして、みんなで協力して片付けをしたら、すぐさま遊びを再開します。スタッフ手作りのブランコを大きく漕ぎながら山の景色を楽しんだり、ハンモックで揺らされる子、揺する子、みんなで「えんどうまめ! えんどうまめ!」と叫んだり。ハンモックにすっぽり収まると本当にえんどう豆のような姿になるので、子どもたちは大笑いしながら、何度も何度も交代で揺られていました。ほかにも、今度の6月のキャンプに向けて、スコップや鍬で山の斜面を平らに整地し、テントを張るスペースを広げることに精を出す子も。「危ないから少し離れてやろう」「この根っこを切らないと掘れない!」など、たくさん声を掛け合い、いろんな年齢の子どもたちが垣根なく協力し、助け合っていました。

雨の中、泥だらけになりながら遊んだ後、母屋にあるシャワーで汗や汚れを落とし、持参した着替えに袖を通してさっぱりしました。ここでも年上の子どもたちが小さな子たちを手助けする様子を見ることができました。保護者の方々にもサポートしていただき、大勢がスムーズにシャワーと着替えを済ませたら、記念のメダルづくりです。

スタッフの補助を受けながら、のこぎりで木を1cm程度の厚みに切るチャレンジです。慎重に丁寧に、でも力強く。どう動かしたら早く上手に切れるか試行錯誤しました。切り取ったメダルに自由に絵や文字をかいて、ヒートンを取り付けて紐を通せば、自分だけのオリジナルメダルの完成です。

個性豊かなメダル、今日の思い出が詰まったメダルを首から下げたら、やがて帰る時間がやってきました。天気のこともあり、素早く支度をして出発し、バス停に向かわなければなりません。子どもたちはそのことをよく理解し、「帰る支度をしましょう」の声掛けにも、わがままを言うことなくすぐに取り掛かっていました。遊ぶときと、きちんとするときをしっかりと区別して、今何をすべきかを自分で判断する、周りを見てどう行動すべきか学び取る、活動の中でそういったことを上手にできるようになっていきます。最後は、森の幼稚舎初めての室内での記念撮影。この写真を見ると、初参加の子も、リピーターの子も、また年の離れた子どもどうしも、今日一日ですっかり友だちに、あるいは一緒に成長していく仲間になったようにも感じます。

「家に着くまでが活動」とはあらゆる行事やイベントで言われることですが、森の幼稚舎も同じく、疲れていても、小さな子でも、自分の脚でしっかりと帰りのバス停に向かって歩いていきます。帰りも気を抜かずに行動するということはもちろんですが、それだけでなく、「家に着くまで目一杯楽しもう!」という笑顔を湛えて、来たときと同じく晴れやかな様子での行進でした。バスと電車を乗り継いで帰る途中では、疲れて寝ている子ども、思い出話や次の楽しいことの話に花を咲かせる子ども、様々でしたが、ここでも全員が行儀良く過ごすことができました。

新宿駅に着いたら、お迎えの保護者の方に子どもたちを引き合わせ、簡単なご報告の後、滞留による密を避けるため早めの解散としました。

次回企画は、5/14(土)~5/15(日)一泊二日の「はじめてのキャンプ」です。JR高架下を活用した都市型キャンプ練習場で、野外活動の様々なスキルを身に付けることができます。その後も、夏に向けてたくさんの企画が目白押しです。これからも、子どもたちに豊かな体験機会を届けてまいります!

当日のその他の写真は以下からどうぞ


 募集中のキャンプ・体験活動 

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