【活動報告】森の幼稚舎 - 冬の森探検編 -(2023年2月18日実施)

2023年2月18日(土)、「森の幼稚舎 – 冬の森探検編 – 」を開催しました。

「森の幼稚舎」は、年間を通じて実施している1dayのイベントで、毎回募集開始から早期に満席となる人気イベントです。

森の幼稚舎とは?

森や川、山での活動を通して、豊かな感性や想像力、自分で考えて行動する力を養える、自然体験活動の場です。
火遊び、丸太切り、自然素材を使った木工作など、大自然の中で子ども達が自分で遊びを考え、生み出し、自分の責任で自由に遊びます。
子ども達はそうした遊びを通して、大いに楽しみながらも「興味を持ったことに没頭する」、「試行錯誤の中で工夫と挑戦を繰り返す」、「お友達との関わり合いの中で我慢を覚える」等の経験が得られます。

4月22日(土)開催の「森の幼稚舎 -春のDAY CAMP編- 」も残席わずかです。
 *4月15日から日程が変更となりました。
早期に定員到達が予想されますので、お早めにお申し込みください。


今回は「冬の森探検編」ということで、火おこしや木工作に加え、霜柱を踏み鳴らしながら雪遊びをするなど、この季節ならでは遊びも満喫することができました。寒さなんてなんのその、子どもたちが冬の森を思う存分楽しむ様子をご紹介致します。

当日の朝、子どもたちの集合に先立ってスタッフが集合場所に集まり、スタッフミーティングを始めます。
今回は初めて参加される子どもや保護者の方が多くいらっしゃいました。自由に遊びながらも、子ども達が安全に過ごせるよう、数日前の事前打ち合わせに続き、当日の流れや役割分担を再確認し、万全の受け入れ態勢を整えます。

スタッフミーティングを終える頃には集合時間が近づき、子ども達が元気よく集まり始めます。保護者の方と一緒に受付を済ませると、早速お友達やリーダーと今日楽しみにしていることについて話しています。
「雪だるまつくれるかな?」、「火おこしがしたい!」と、初めて参加する子どももリピーターの子どもも、目の輝きから期待感が伝わってきます。

スムーズに全員の受付が終わり、出発の時間です。本日の目的地へは、電車とバスを乗り継いで向かいます。公共交通機関利用時の注意事項をよく聞き、お見送りの保護者に「行ってきます」とあいさつをして出発しました。子ども達、付き添いの保護者、スタッフを合わせて今回は総勢27名での活動です。

移動中、初めて会うお友達やリーダーとのコミュニケーションを楽しみながらも、大声で騒がない等の出発時に約束した周囲の人たちへの配慮も忘れません。道中、これまでに何度か参加しているお兄さんが、初めて参加する幼児に「今はあまり大きな声を出したらいけないよ」などと伝えてくれる姿も見られました。目的地までの道すがらでも、集団生活における振る舞いも少しずつ学んでいきます。

高尾駅到着後は、バスに乗って目的地最寄りのバス停まで移動します。20分ほど乗車するとバス停に到着です。バスの運転手さんお礼を伝えて、緩やかな登山道を歩いて進みます。登山道を進むことで目的地へと着実に近づいている実感が子どもたちにも芽生えたようで、傾斜の具合とは裏腹に、子ども達の歩を進めるスピードはどんどん早くなります。

10分ほど歩き、本日の遊び場に到着です。冬の山ということで天候の心配がありましたが、現地は晴天に恵まれ、寒すぎずに外遊びにはぴったりの気候でした。遊び場には霜柱が立ち、水たまりには氷が張り、冬の名残を感じて子どもたちは今にも走りだそうとしています。

そうしたはやる気持ちは一度落ち着かせ、まずは今日一日の流れと活動中の注意をよく聞きます。森の幼稚舎は「自分の責任で自由に遊ぶ」がコンセプトですが、大きなケガや事故が起きないように、守るべきルールを確認します。

ルールを確認した後はさっそく自由時間です。積みあがった霜柱を踏み鳴らしながら、フィールドへと駆け出します。

まず最初に子ども達の人気を集めたのは、本日の遊び場中央での「火おこし」です。管理人の方が、参加者が温まれるようにとご用意してくださった火種に、周辺で集めた木材や枯葉を投入し、火力を強めます。そうした木や葉の投入を何度か繰り返していると、火力が強くなるものと、逆に弱まってしまうものがあることに子どもたちは気づきます。
どうやら軽くて茶色い木や葉は火力が強くなり、重くて緑色のものは火力が弱まるようです。「木や葉っぱに水分が含まれていると、火は弱くなってしまうんだよ」と伝えると、子どもたちはなるほどと、一つ気づきを得たようです。
さらに木や葉を投入するだけでなく、うちわで火元を仰ぐと、より一層火力が強まります。「ものを燃やすには、熱ともえるもの、酸素が必要なんだよ」と伝えると、再びなるほどと頷きます。こうして、学校での学びと森の幼稚舎での体験を一つ一つ結びつけていました。

続いて子どもたちの注目を集めたのはブランコです。山側の、遊び場の中でも少し小高いエリアの木には、お手製のブランコが掛かっており、毎回子どもたちが列をなす人気の遊びの一つです。初めて会うお友達同士でも、一つのブランコを一緒に乗るとすっかり仲良しになります。楽しさと、ちょっとしたスリルに子どもたちは病みつきに。
「こわいー、でも止めないで!」と、悲鳴にも近い喜びの声で何度も何度もブランコを楽しんでいました。

そうして遊んでいるうちに、気づけば昼食の時間です。当初は寒さをしのぐために小屋の中で食事を取る予定でしたが、屋外も過ごしやすい気候でしたので、子どもたちが好きな場所で昼食を取ります。よく遊んだ後の食事はいつも以上においしく感じ、友達との会話も弾み、思わず笑みがこぼれます。


昼食を終えると、午後の遊びがスタートです。初めて森の幼稚舎に参加した子どもの中には、朝の時点では周りの様子を伺いつつ、少々遠慮しているようなそぶりも見せる子どももいましたが、午前中にひとしきりフィールドを楽しみ、お友達とも交流を深めたことで、午後には我先にと遊び場へと飛び出していました。

午後からは火遊びやブランコに加え、木工作や木登りなど、どんどん遊びの幅を増やしていきます。おもちゃやゲームが無い環境であるからこそ、新たな遊びを考え、発見し、子どもながらの自由な発想で高尾山のフィールドを「秘密の遊び場」へと昇華させていきます。

木工作コーナーでは、多くの子どもたちが「メダルづくり」に取り組みました。まずは長い木の枝をのこぎりで輪切りにします。のこぎりを使ったことがないという子どもたちは、リーダーから上手に枝を切るコツを聞いて挑戦してみます。
枝が動かないようにしっかり固定して、両刃ののこぎりを押して、引いて、押して、引いて。何度か繰り返すと、輪切りされた枝がぽろっと地面に落ちます。油性マジックで自由にデザインを施して、ヒートンと紐をつけると木のメダルの完成です。
子ども達は完成したメダルを誇らし気に見せてくれます。

そうした小学生や幼児の姿を見ていた3歳の未就園の男の子が、「僕もやりたい」と付き添いの保護者の手を引き、チャレンジを始めます。ごきょうだい以外のお兄さん、お姉さんたちの活動の様子を見て真似をするということができるのも、こうしたキャンプや体験活動の醍醐味であると、改めて感じるひと時でした。

活動も終盤にさしかかる頃、デザートの時間です。本日のデザートは午前中に子どもたちが起こした火を用いつくる、焼きマシュマロです。火に近づけすぎず、じっくりと時間をかけて焼くことが上手に焼くコツです。串にささったマシュマロをスタッフから受け取り、火を囲む様に円を作り、串をかざしてじっくりと焼いていきます。
マシュマロの外側がうっすら茶色く色づいてくると食べごろです。火から引き揚げてクラッカーで挟むと、おいしい焼きマシュマロの完成です。外は香ばしく中はトロッと、普段とは違った触感のマシュマロを自然の中でたべるひと時は、子どもたちにとって小さな非日常。笑みをこぼしながら舌鼓をうちました。

午後の遊びの一番のクライマックスは、子どもたちが力を合わせて行った、「つる引き」です。山側に生えた木から垂れ下がったつるを、遊び場の外に移動させようとスタッフが引っ張ったことが始まりでした。
引けども引けども、つるは木から外れません。出所を見てみると、木の枝が何層にも重なり、つるを厳重にロックしています。綱引きの要領で、子どもたちが声と力を合わせてつるを引っ張り上げます。その様子は、さながら童話の「おおきなかぶ」状態。

一所懸命引っ張りましたが、残念ながらこのつるを外すことはできず、この後ここに遊びに来る子ども達の宿題となりました。しかしながら、力を合わせて引っ張った子どもたちはどこか満足気で、お互い顔を見合わせてほほ笑み合う姿も見られました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰路に向けて出発の時間が近づいています。
てんげんじこどもいえのキャンプ・体験活動では、「荷物の整理や片付け等の身の回りのことを自分で取り組むこと」を大切にしています。今回の森の幼稚舎でも、遊びっぱなしにするのではなく、木工作で使った工具は元の場所に戻す、忘れ物が無いように身の回りを確認するように子どもたちに伝えます。

最後に思い出の記念撮影をしたら、今日の「秘密の遊び場」での活動は全て終了です。名残おしくも、興奮冷めやらぬまま、今日の出来事をお友達と話しながら帰路へとつきます。帰りの電車では、めいっぱい遊んだ心地よい疲労が顔を覗かせはじめ、思い手に浸りながら夢の中へと誘われる子どもたちの姿がありました。

予定通り新宿駅に到着して、お迎えの保護者の方に子ども達を引き合わせ、簡単なご報告の後、滞留による密を避けるため早めの解散としました。今回も、関係各位のご協力の下、ケガや事故無く無事に企画を終えられましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

来月以降もキャンプ・体験活動が目白押しです。皆様のご参加お待ちしております。

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 募集中のキャンプ・体験活動 

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