【活動報告】稲刈り体験(2023年9月24日実施)

2023年9月24日(日)、東京都東村山市にある北山公園内の田んぼにて、稲刈り体験を開催しました。元々は9月23日(土)に実施予定でしたが、あいにくの天候により活動場所である田んぼの水位が上昇してしまったために、残念ながら延期の運びとなりました。ご参加を予定してくださっていた皆様には、多大なご迷惑をおかけ致しましたこと、心よりお詫び申し上げます。

順延日程である翌日は天候にも恵まれ、無事に稲刈り体験を実施することができました。澄み渡る青空の下、「となりのトトロ」のモデルとなった八国山緑地の自然に囲まれた土地で、思う存分稲刈り体験を楽しんだ子どもたちの様子をお届けいたします。

当日は朝8:15、高田馬場駅の駅前ロータリーに集合です。今回の稲刈り体験は、急遽日程が変更したこともあり、親子での参加が1組、子どものみの参加が4名、そこに4名のスタッフが同行した総勢10名での開催となりました。
集合時刻になり、参加者が揃ったところで、いよいよ出発です!日曜日の朝にも関わらず、幸いにも電車は空いており、皆で仲良く座って東村山駅を目指しました。子どもたちは、期待に胸を膨らませながらも車内のマナーをきちんと守り、礼儀正しく乗ることができていました。

東村山駅に着くと、さっそく列になって北山公園に向かいます。途中、栗や柿などの秋の食材をはじめ、様々な野菜が育っている畑の横道を通って進んでいきます。まるで、「となりのトトロ」の世界に迷い込んだかのようなその神秘的な雰囲気に、子どもたちは興奮を隠せない様子でした。視界に入る自然の恵みと美しさを味わいながら、20分ほど歩くと現地に到着しました。

北山公園の敷地内に入ると、そこには金色に輝く田んぼと青々とした「トトロの森」が広がっていました。生い茂る木々の隙間から見える綺麗な小川の音に癒されながら、穂先の垂れ下がる金色の稲に囲まれた用水路に沿って、稲刈りをする田んぼへと向かいます。

荷物を置くと、さっそく稲刈り用の長靴や服装に着替えます。田んぼには、既に現地の方々が用意してくださった稲刈り用の鋸鎌や籠が置いてありました。稲を刈る方法と注意事項について確認し、怪我のないよう鋸鎌を持った子ども一人に対してスタッフ一人が付き添います。準備が整ったところで、いよいよ稲刈り体験のスタートです!

子どもたちは、さっそく目の前の田んぼに恐る恐る足を踏み入れていきます。前日の雨の影響で、例年よりも足場が緩く泥が深い状態だったために、3歩進んだところで身動きが取れなくなる子も。

「足が抜けないー!」「泥にはまっちゃった!」

子どもたちは、長靴越しに感じる「ぐにゅぐにゅ」とした泥の感触と重さに驚きの声を上げながら、臆することなく逞しく進んでいきます。大人が躊躇する中、子どもたちは泥だらけになることなどお構いなしです。顔に泥をつけ、時に足を取られて田んぼの中で尻もちをつきながらも、黙々と進んでいく姿には感心させられます。

中には、泥に足がはまって動けなくなったお友達に、手を差し伸べる子どもの姿も。結局、一緒にひっくり返って泥だらけになりながらも、大人に頼らず自分たちだけの力で必死に立ち上がります。立場や年齢、性別に関係なく、目の前の人に手を差し伸べ互いに助け合う経験は、多年齢が参加する体験活動ならではの大切な学びと言えるでしょう。
顔に泥を付けながら、お友達と一緒に笑い合い、積極的に田んぼに足を踏み入れる子どもたちの目は、稲穂の如くキラキラと金色に輝いていました。

稲刈りでは、稲の束を掴み、田面から5~6センチほど上を鋸鎌で刈り取りながら移動していきます。その際、勢い余って足を切り込むことのないよう、ゆっくりと慎重に鋸鎌を動かします。ザクっと稲が切れる瞬間に快感を覚えながら、子どもたちは無我夢中で稲を刈り、目を輝かせながら田んぼの奥へと進んでいきます。

稲が生い茂った田んぼの中にかがみ込むと、思いがけない出会いもあります。人の動きに驚いたザリガニや小さなバッタなどの生き物が、水中や草むらからひょっこりと顔を出すのです。子どもたちは、それらの生き物を見つける度に感嘆の声を上げ、素手でさっと捕まえては、嬉しそうにお友達と見せ合っていました。

子どもならではの純粋な感性は、このような生き物との直接的な触れ合いや、それらを肌で感じることのできる自然体験の中で、より豊かなものになっていきます。

刈り取った稲で手がいっぱいになると、一度籠の上に並べて、また刈る作業を繰り返します。そうして一通り刈った後には、いくつかの稲をまとめ、麻紐で束ねていきます。
「僕が紐を結ぶから、稲を持っていて!」「じゃあ私は稲を運ぶ係をするね!」

子どもたちは、互いに協力して声を掛け合いながら、自分の担った役割を全うします。手際よく稲を束ねていく姿には、スタッフをはじめ、お手伝いに来てくださった地元の方々もびっくり。大人顔負けの手さばきで、次々と稲の束を作っていきます。

そうして、稲を刈っては束ねる作業を繰り返し、何度も田んぼの中を出入りするうちに、2時間ほどで刈り終わりました。次は、束ねた稲を稲架(はさ)に掛けていく作業です。2週間程度、天日と風で自然乾燥させることを稲架掛けと言い、これを行うことでお米が追熟して、ふっくらとした美味しいお米が出来上がるそうです。

子どもたちは、お友達と協力して重たい稲の束を持ち、泥の中を転ばないよう慎重に進んでは、木に渡した横竹に稲を掛けていきます。自分たちが刈った稲が並ぶ景色を見て、みんな満足そうな笑みを浮かべていました。

稲刈りを終えると、公園の横にある川に手足の泥を落としに行きます。透き通った川の中に入ると、心地よい冷たさと流れに癒され、あっという間に汗が引いていきます。子どもたちは、泥だらけになった長靴を一生懸命に洗いながら、石の間に潜む小魚を見つけては感嘆の声を上げ、ちょっとした川遊びを楽しんでいました。このような小さな体験も、自然の中で体験活動を行う醍醐味です。

自然の水で泥を落としたら、公園の水道で仕上げをしてから着替えます。着替えには、スタッフが用意したテントを使用しました。中に入ると、まるで秘密基地のような広々とした空間に、子どもたちは大はしゃぎです。

着替えが終わり、もう一度手洗いを済ませたら、ようやく待ちに待ったお昼ごはんの時間です。無我夢中で稲刈りをした後は、全員お腹がペコペコ。子どもたちは、持ってきたレジャーシートを敷き、お弁当を広げていきます。「いただきます」の挨拶をしたら、さっそく美味しそうなサンドイッチやおにぎりを、口いっぱいに頬張っていました。
青空の下、農作業を頑張った後にお友達と食べるごはんの味は、格別です。「美味しい、美味しい」と笑顔で呟きながら、みんなあっという間に完食していました。

美味しい空気とお弁当をお腹いっぱい食べたら、ここからは自由時間です。公園の中を散策する子、秘密基地であるテントの中で折り紙をする子、ちょうちょなどの生き物を捕まえる子、各々が本能に導かれるまま自由に自然の中を駆け回ります。

途中、スタッフと保護者の方が付き添い、「トトロの森」を抜ける山登りにも出掛けました。トトロが通りそうな木々のトンネルを通り抜け、山の上の広場を目指します。時折、木々の間に巣を作る大きな蜘蛛に驚きながらも、小さな探検家たちは逞しく進んでいきます。

広場に出ると、芝生が辺り一面に広がり、秋を感じさせる真っ赤な彼岸花があちこちで咲いていました。木の実やどんぐりなどの宝物を集めたり、必死にトンボを追いかけて捕まえたり、お友達と笑い合いながら伸び伸びと森の中を駆け回る姿には、思わず笑みがこぼれます。

「トンボを捕まえたよ、見てごらん」「可哀想だから、観察したら逃がしてあげようね」そんなやり取りを行いながら、子どもたちは探求心と共に命を尊ぶ心を共有し、学んでいきます。こうして、豊かな感性と共に、優しさに満ちた純粋で温かい人間性が育まれていくのです。

帰りの時間になると、荷物を片付けて駅に向かいます。子どもたちは、一日中たっぷりと遊んだ疲れを感じながらも、とても満足そうな表情をしていました。電車の中では、ほとんど眠ることなく、お友達やスタッフと今日一日の思い出を語り合う姿がありました。

少し早めに高田馬場駅に到着すると、保護者の方がお迎えに来た子どもから順に解散となりました。

今回もケガや事故なく、無事に体験活動を終えることができました。この場をお借りして、直前での日程変更にもかかわらず、ご参加いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
これからも、子どもたちの豊かな経験とかけがえのない思い出を作る、てんげんじこどものいえのキャンプ・体験活動に是非ご参加ください!

【今後のキャンプ・体験活動】
キンダースキーCAMP   2023年12⽉26⽇(火)〜12⽉30⽇(土) 
ジュニアスキーCAMP   2023年12⽉26⽇(火)〜12⽉30⽇(土) 
森の幼稚舎-冬の森探検編-  2024年2月17日(土)
スプリングスキーCAMP   2024年3⽉26⽇(火)〜3⽉30⽇(土)

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