【活動報告】森の幼稚舎 - 冬の森探検編 -(2024年2月17日実施)

2024年2月17日(土)、「森の幼稚舎 – 冬の森探検編 – 」を開催しました。

「森の幼稚舎」は、年間を通じて実施しているてんげんじこどものいえの1dayのイベントで、毎回早期に満席となる大人気イベントです。

森の幼稚舎とは?

森や川、山での活動を通して、豊かな感性や想像力、自分で考えて行動する力を養える、自然体験活動の場です。
火遊び、丸太切り、自然素材を使った木工作など、大自然の中で子ども達が自分で遊びを考え、生み出し、自分の責任で自由に遊びます。
子ども達はそうした遊びを通して、大いに楽しみながらも「興味を持ったことに没頭する」、「試行錯誤の中で工夫と挑戦を繰り返す」、「お友達との関わり合いの中で我慢を覚える」等の経験が得られます。

募集中の「森の幼稚舎」

前回、9月に実施した「森の幼稚舎 -秋のDAY CAMP編- 」では、秋の気配を感じる暖かな気候と森の心地よい涼しさの中で、薪割りや火おこしをはじめとした飯ごう炊さんに挑戦しました。今回は「冬の森探検編」ということで、火おこしや木工作に加え、春を待つ木々の間に芽吹く小さな木の実や花々を探して、この季節ならではの遊びを満喫しました。寒さを跳ね除け、元気に冬の森を駆け回る子どもたちの様子をご紹介致します。

当日の朝、子どもたちの集合に先立ってスタッフが集合場所に集まり、スタッフミーティングを始めます。今回は初めて参加される子どもや保護者の方が多くいらっしゃいました。自由に遊びながらも、子どもたちが安全に過ごせるよう、数日前の事前打ち合わせに続き、当日の流れや役割分担を再確認し、万全の受け入れ態勢を整えます。

今回も朝8:30、JR新宿駅の新南口に集合です。スタッフミーティングを終える頃には、子どもたちが期待に胸を膨らませながら元気よく集まり始めます。保護者の方と一緒に受付を済ませると、早速お友達やリーダーと今日楽しみにしていることについて話しています。
「雪はまだ残っているかな?」「木を集めて火おこしがしたい!」

興奮しながら話す子どもたちの目の輝きから、今日一日の活動への期待感が伝わってきます。中には、受付時に「ワクワクしすぎて眠れなかった」とリーダーへ報告する微笑ましいお子様の姿もありました。
今回初めて参加するお子様は、受付時にプレゼントの熊鈴を受け取ります。「チリン・チリン」と鳴る心地よい音を聞きながら、みんな嬉しそうにリュックに付けていました。

そうしてスムーズに全員の受付を終えると、いよいよ出発の時間です。本日の目的地へは、電車とバスを乗り継いで向かいます。お見送りの保護者の方々に「行ってきます!」と元気よく挨拶をして、冬の森へと向かいます!

今回は、子どもたち、付き添いの保護者、スタッフを合わせて総勢21名での活動です。
日曜日の朝にも関わらず、電車の中はかなり空いており、全員が座ったまま現地まで向かうことができました。移動中、初めて会うお友達やリーダーとのコミュニケーションを楽しみながらも、大声で騒がないなど周囲の人たちへの配慮も忘れません。

途中、「高尾駅まではあと何駅だろう」「この電車は後で各駅停車と待ち合わせるよ」など、電車に関心を抱き意気投合する様子も見られました。こうして、子どもたちは誰に教わることなく、主体的に社会の仕組みを学び取り、目的地までの道すがら集団生活における振る舞いを少しずつ学んでいきます。

高尾駅到着後は、さっとトイレを済ませてバスに乗り継ぎます。20分ほど乗車すると、バス停に到着です。バスの運転手さんにお礼を伝えて、緩やかな登山道を歩いて進みます。

道中、木々の隙間から見える小川のせせらぎに癒されながら、子どもたちはさっそくいい匂いのする葉っぱや木の実を見つけては感嘆の声を上げ、お友達と見せ合っていました。視界に広がる自然と、道の端にわずかに残る雪の感触から冬の森を感じつつ、秘密基地へと向かって一歩一歩進んでいきます。

10分ほど歩くと、本日の遊び場に到着です。そこでは、秘密基地を管理するてんげんじこどものいえのスタッフの仲間が、子どもたちを待ち構えていました。挨拶や注意点の確認などを済ませた後、さっそく自由遊びの時間が始まります!

最初に子どもたちの人気を集めたのは、遊び場の中央に設置されている「火おこし」です。管理人の方が、参加者が温まれるようにとご用意してくださった火種に、周辺で集めた木材や枯葉を投入し、火力を強めます。

そうした木や葉の投入を何度か繰り返していると、火力が強くなるものと、逆に弱まってしまうものがあることに子どもたちは気づきます。どうやら軽くて茶色い木や葉は火力が強くなり、重くて緑色のものは火力が弱まるようです。

「木や葉っぱに水分が含まれていると、火は弱くなってしまうよ」と伝えると、子どもたちはなるほどと、一つ気づきを得たようです。燃えやすいものであるかどうかを意識しながら、そこら中に落ちている木や葉を集め始めます。

さらに、「ものを燃やすには、熱、燃えるもの、酸素が必要だよ」と再び伝えると、木や葉を投入するだけでなくうちわで火元を仰ぐ必要性にも気づき、一生懸命にあおぎ出します。そうして、より一層火力が強まると、子どもたちは大興奮です。

こうした経験から、学校での学びと森の幼稚舎での体験を一つ一つ結びつけ、学びを深めていきます。

続いて、子どもたちの注目を集めたのは木のブランコです。山側の少し高いエリアに生えている木には、お手製のブランコが掛かっており、毎回子どもたちが列をなす人気の遊びの一つとなっています。

いざ乗ってみると、まるで山の上を飛んでいるかのような空中の景色に、子どもたちは大興奮。ちょっとしたスリルを感じながら、頬に感じる山の澄んだ空気と景色に魅了され、すっかり病みつきになっていました。
「乗る前はこわいと思っていたけれど、乗ってみたら気持ちいい!」「もっと高くしてー!」と、幼児から小学生までが感嘆の声をあげ、何度も何度もブランコを楽しんでいました。

時には、山道を全速力で駆け回っているうちに、地面から浮き出た木の幹に躓きそうになるなど、大人がつい手を差し伸べたくなるようなハラハラする場面も見られます。しかし、これらを実際に体験することで、子どもたちは身体の使い方をはじめ、周囲の状況により時に危険が伴うことを学び取っていきます。

こうした小さな経験の積み重ねが、子どもたちの「生きる力」を磨いていくのです。とはいえ、取り返しのつかない大きな怪我に繋がることがないよう、スタッフは次に起こることを常に想定して動き、子どもたちを静かに見守っています。

そうして遊んでいるうちに、気がつけばお腹がペコペコです。到着してからというもの、ずっと夢中になって駆け回り、すっかりお腹を空かせた子どもたちのために、今回は少し早めの昼食を取りました。

当初は、寒さをしのぐために小屋の中で食事を取る予定でしたが、屋外も過ごしやすい気候でしたので、子どもたちがそれぞれ好きな場所にレジャーシートを広げて、大自然の中でお昼ご飯を楽しみました。
温かい焚火を囲みながら、みんなで食べるご飯は格別です。口いっぱいに頬張り、午後も思う存分遊ぶためのエネルギーを蓄えます。

昼食を終えると、午後の遊びがスタートです。初めて森の幼稚舎に参加した子どもの中には、朝の時点では周りの様子を伺いつつ、少々遠慮しているようなそぶりを見せる子もいましたが、午前中にひとしきりフィールドを楽しみ、お友達とも交流を深めたことで、午後には付き添いの保護者の方から離れて我先にと遊び場へ飛び出していました。こうして、幼児も少しずつ主体性を育み、逞しさを得て自立へと向かい成長していきます。

午後からは、火遊びやブランコだけでなく、ハンモックで揺らされる子、リーダーと一緒に鬼ごっこする子、地面に生えている赤や青の木の実を集める子、スコップで地面を掘って坂道に階段を作る子など、それぞれが自分の好奇心の赴くままに思いっきり身体を動かします。

まだ雪の残る冬の森だというのに、子どもたちはすっかり汗だくです。尻もちをついたり、顔に泥を付けたりしても、お構いなしに逞しく遊んでいます。汚れた時のために、着替え一式もご持参いただいているため、子どもたちは安心して思う存分森の中を駆け回ることができます。

活動も終盤にさしかかる頃、待ちに待ったデザートの時間がやってきました。本日のデザートは、午前中に子どもたちが起こした火を用いて作る「焼きマシュマロ」です!
マシュマロは、火に近づけすぎず、じっくりと時間をかけることが上手に焼くコツです。串にささったマシュマロをスタッフから受け取り、みんなで焚火を囲んでじっくりと焼いていきます。

時には、火に近づけすぎて一瞬のうちに黒こげになってしまうことも。子どもたちは、体感で火加減を学びながら、真剣な眼差しでマシュマロを焼いていきます。
マシュマロの外側がうっすらと茶色く色づき、全体的に柔らかく膨らんできたら食べ頃です。火から引き揚げて串から外し、クラッカーで挟むとおいしい「焼きマシュマロ」の完成です!

口に入れると、外は香ばしく中はトロッと溶けて、クラッカーのサクサクとした触感と混じり合い、甘い味が広がります。普段とは違った触感のマシュマロを自然の中で食べるひと時は、子どもたちにとって小さな非日常。
満面の笑みでマシュマロを頬張り、口の周りを白くしながら何度もおかわりをする子どもたちの姿がありました。

おやつの後には、木工作や木登りなど、どんどん遊びの幅を増やしていきます。おもちゃやゲームが無い環境であるからこそ、新たな遊びを自分たちで考えて発見し、子どもならではの自由な発想で森のフィールドを「秘密の遊び場」へと昇華させていきます。

木工作コーナーでは、色々な形の木材を用いて、各々が作りたい物を自由に作ります。中には、スタッフのサポートのもと、ノコギリで木材を切ることに挑戦し、やすりでつるつるに削ってから釘で繋げて絵を描き、見事な船を作った子もいました。

そうして、子どもならではの豊かな発想が次々と形になっていきます。自分で作った世界に一つだけの作品は、子どもたちにとって大切な宝物。壊れないよう大切に扱い、袋に入れてお家まで持ち帰りました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰路に向けて出発の時間が近づいています。
てんげんじこどもいえのキャンプ・体験活動では、「荷物の整理や片付け等の身の回りのことを自分で取り組むこと」を大切にしています。今回の森の幼稚舎でも、遊びっぱなしにするのではなく、木工作で使った工具は元の場所に戻す、忘れ物が無いように身の回りを確認するように子どもたちに伝えます。

最後に思い出の記念撮影をしたら、今日の「秘密の遊び場」での活動は全て終了です。名残おしくも、一日の出来事をお友達と話しながら帰路へとつきます。帰りのバスや電車では、電池が切れたように夢の中へと誘われる子どもたちの姿がありました。

予定通り新宿駅に到着して、お迎えの保護者の方に子どもたちを引き合わせ、簡単なご報告の後、早めの解散としました。今回も、関係各位のご協力の下、ケガや事故無く無事に企画を終えられましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

来月以降もキャンプ・体験活動が目白押しです。皆様のご参加をお待ちしております。

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