【活動報告】森の幼稚舎 - 春のDAY CAMP編 -(2024年4月20日実施)

2024年4月20日(土)、「森の幼稚舎-DAY CAMP編-」を開催しました。この体験活動は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中でも特に人気を集めており、当日は多くの子どもたちと保護者の方々がご参加くださいました。

森の幼稚舎とは?

森や川、山での活動を通して、豊かな感性や想像力、自分で考えて行動する力を養える、自然体験活動の場です。
火遊び、丸太切り、自然素材を使った木工作など、大自然の中で子ども達が自分で遊びを考え、生み出し、自分の責任で自由に遊びます。
子ども達はそうした遊びを通して、大いに楽しみながらも「興味を持ったことに没頭する」、「試行錯誤の中で工夫と挑戦を繰り返す」、「お友達との関わり合いの中で我慢を覚える」等の経験が得られます。

募集中の「森の幼稚舎」

*キャンセル待ち受付中

春の暖かな気候と森の心地よい涼しさの中で、薪割りや火おこしをはじめとした飯ごう炊さんに挑戦し、思う存分自然を満喫した子どもたちの様子をお届け致します。

集合は朝8:30、JR新宿駅の新南口です。体験活動では、毎回集合時刻の前にスタッフミーティングを行い、子どもたちが安全且つ楽しく活動できるよう、一日の流れや注意点を改めて確認します。今回は参加者の人数が多かったことから、スタッフの人数を増やして子どもたちを手厚くサポートできる環境を整えました。子どもたち、付き添いの保護者の方々、スタッフを合わせて総勢43名での活動です。

さて、スタッフミーティングを終えると、今日一日の活動への期待に胸を膨らませた子どもたちが集まり始めます。受付を済ませた子は、さっそく持参した虫かごを見せ合いながら、グループのお友達と今日の活動についてわくわくした様子で話しています。「森の幼稚舎」の企画では、初めて参加する子に熊鈴をプレゼントしています。リュックにつけた熊鈴が綺麗な音で新宿駅に鳴り響いていました。

さあ、スタッフの自己紹介が終わると、いよいよ出発です!お見送りの保護者の皆様に元気よく「行ってきます!」と挨拶をして、新宿駅のホームへと向かいます。土曜日の朝とはいえ、電車の中はかなり混み合っていました。子どもたちは周囲に迷惑がかからないよう、小さな声でグループのお友達やリーダーとコミュニケーションを取ります。「まだ着かないかな」「あと何駅?」と、わくわくした様子で何度もスタッフに聞いたり、電車の外に流れていく春の景色に魅入られて、窓をじっと見つめたりする子どもたちの姿がありました。

途中、長時間電車に揺られているために、立ち歩いたり座席からずり落ちたりして、落ち着きのない様子を見せる子もいました。そんな時には、てんげんじこどものいえのキャンプに何度も参加している子どもたちが、スタッフに代わって指導をしてくれます。

「電車の中は静かにしないといけないんだよ」「周りの人の迷惑になるよ」

公共の場での振る舞い方を先に学んだ者が、次の者へと広げていく。こうして、大人に頼るだけでなく、子どもたち自身が互いに学び合い、社会性や常識を身に付けていきます。子ども同士の関わり合いの中から得る学びにこそ、幅広い学年の子どもが参加する体験活動の教育的意義があります。

高尾駅に着くと、さっとトイレを済ませてバスに乗り継ぎます。バスの中もかなり混雑していましたが、子どもたちは身動きが取れない中でも、お行儀よく過ごすことができていました。座席の窓から見える景色は、日頃目にする景色とはまるで違っています。青々とした山や青空、自然に囲まれた土地に立つ家々、道の脇に流れる小川……。山道を進むバスに揺られながら、子どもたちはすっかり美しい自然に魅入られていました。

バスを降りたら、山道を進んで現地まで向かいます。道中、子どもたちは木々の隙間から見える小川のせせらぎに癒されながら、さっそく綺麗な花や葉っぱ、草の間から顔を出す虫たちを見つけては立ち止まり、嬉しそうに観察していました。

現地に到着したら、秘密基地を管理するスタッフの仲間に挨拶をして、今日一日の注意点などを確認した後、いよいよ自由遊びの時間が始まります。木のツルを掴んで滑りやすい斜面を登ったり、木のブランコに乗って空を飛んだり、春の綺麗なお花を集めて花束を作ったりと、各々がその場にある自然を遊具として活用しながら、基礎的な身体能力と豊かな心を育んでいきます。

中には、土から飛び出した木の根に躓きそうになったり、滑りやすい急斜面を走って降りようとしたりと、大人がつい手を差し伸べたくなるようなハラハラする場面も見られます。しかし、子どもたちは自分の身体の使い方や周囲の状況により、時に危険が伴うことを実体験の中から学び取っていきます。このような小さな経験の積み重ねが、子どもたちの「生きる力」である観察力や判断力を磨いていくのです。とはいえ、大きな怪我に繋がることのないよう、スタッフは次に起こることを常に想定して動き、必要があればいつでも介入できるように傍で子どもたちを見守っています。

自由遊びの次は、今回のメインイベントである「飯ごうでごはんを炊こう」の時間が始まります。まずは、薪割りです。ナイフを使って、木を細く燃えやすい形に割っていきます。怪我のないよう、スタッフのサポートのもと、子どもたちは教わった手順に従って真剣に取り組み、上手に薪を割ることができていました。

薪割りの次は、火おこしです。軽く丸めた新聞紙に、自分たちが割った薪や、周囲に落ちている葉っぱなど、自然の着火剤を乗せていきます。初めてのマッチに緊張しながらも、無事に火を付けることに成功しました。お米を炊くための火力を保つために、子どもたちは燃えやすい落ち葉を集めに行ったり、薪を足したりしながら、グループのお友達と協力してうちわで扇いでいました。

火が強くなったら、いよいよお米を炊いていきます。飯ごうから水が噴き出し、その水が止まった頃になると、ふっくらと美味しく炊き上がります。

「飯ごうから水が出てきたよ!」「水が止まったから、そろそろいいかな?」

子どもたちは、中のお米の様子を想像しながら、焦げないように注意しながら飯ごうを観察します。試しに、スタッフが飯ごうの蓋を開けてみると、まだ水が残っています。子どもたちはがっかりしつつも、「もう少しだ!」とさらに意気込み、一生懸命にうちわで火を扇ぎ続けます。

そうしていざ炊き上がると、大人も子どもも大喜びで、大歓声が沸き上がります。

「やったー!ついに炊き上がった!」「美味しそう!」

並行してスタッフが屋内で調理していた豚肉と共に、自分たちで炊いたお米をお皿に盛っていきます。お好みで紅ショウガや調味料をかけたら、特製「豚丼」の完成です!みんなで「いただきます」の挨拶をしてから、一斉に食べ始めます。

食べ始めると、すぐに「美味しいー!」「ご飯がほくほくー!」などといった感想が、あちこちから聞こえてきます。自分たちで炊いたお米の味は、格別です。おかわりの行列により、大量に作った豚丼はあっという間に消えていきました。

「ごちそうさま」と片付けをしたら、すぐさま遊びを再開します。ハンモックで揺られる子、草むらに隠れる虫を捕まえては虫かごに集める子、スタッフやお友達と鬼ごっこをして駆け回る子、秘密基地の中心にある火おこし場で火を焚き続ける子、……。各々が自分の好奇心の赴くまま、思う存分身体を動かします。

「この青い実を水に付けたら、青色の水になるかな?」「この太い枝を立てかけて、はしごを作ろう!」

子どもたちは、想像力を働かせて何かを生み出したり、様々な問いを持ち、予想を立てて実践してみたりと、主体的に学びを深めていきます。

「すごい!本当に水が青くなった!」「じゃあ僕がもっと集めてあげるよ!」と、時にお友達と協力しながら物事を探求していく姿には、感心させられます。どんなに素晴らしい授業でも代わりの利かない、自然界でのアクティブラーニングです。

自然遊びの他にも、今度の6月のキャンプに向けてテント張りに精を出す子もいます。

「僕がここを押さえておくね」「ここにも杭を打たなくちゃ!」

テント張りでは、色々な年齢の子どもたちが垣根なく協力し、助け合う姿が見られました。完成したテントに入ると、まるで子どもだけの秘密基地のような空間に、子どもたちは大はしゃぎ。「このままテントに泊まってみたい!」と、キャンプに興味を示す子もいました。

帰りの時間が近づくと、汚れた洋服を着替えたり、さっとシャワーを浴びたりして出発の準備を整えます。楽しい時間はあっという間で、全員で記念写真を撮ったら、いよいよ秘密基地とのお別れです。現地のスタッフに挨拶をして、帰りのバス停に向かって歩き出します。

帰り道は、一日中はしゃいで走り回ったために、子どもたちはみんなくたくた。どんなに疲れていても、最後まで自分の足で歩き、無事に家に帰るまでが体験活動です。バスを待っている間も、眠るまいと必死に意識を保つ愛らしい姿がありました。電車の中では、思い出話に花を咲かせる子や、スタッフとしりとりをして遊ぶ子、電池が切れたように満足した表情で夢の中へと誘われる子もいました。

今回は帰りのバスが混雑し、2台に分かれて乗車した関係で、予定よりも遅い時間に新宿駅へと到着しました。お迎えの保護者の方に子どもたちを引き合わせ、全体への簡単なご報告の後、解散となりました。

次回企画は、5月25日(土)開催の「トトロの森の田植え体験」です。JR高田馬場駅から西武鉄道沿線の北山公園へと向かい、江戸時代から続く田んぼに入って苗の植え込みを行います。この大人気企画は、現在キャンセル待ちとなっております。

その後も、夏に向けた楽しい企画が多数ありますので、満席になる前に是非お早めにお申し込みください。子どもたちにとってかけがえのない夏の思い出となる、豊かな体験機会をお見逃しなく!

キャンプ・体験活動の年間予定はこちら

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