
【活動報告】森の幼稚舎 - 春のDAY CAMP編 -(2026年4月18日実施)

2026年4月18日(土)、「森の幼稚舎 ― 春のDAY CAMP編 ―」を開催いたしました。本企画は、てんげんじこどものいえの1Day活動の中でも特に人気の高いプログラムであり、今年度も多くの子どもたち、そして保護者の皆様にご参加いただきました。
森の幼稚舎とは?
森や川、山での活動を通して、豊かな感性や想像力、自分で考えて行動する力を養える、自然体験活動の場です。
火遊び、丸太切り、自然素材を使った木工作など、大自然の中で子ども達が自分で遊びを考え、生み出し、自分の責任で自由に遊びます。
子ども達はそうした遊びを通して、大いに楽しみながらも「興味を持ったことに没頭する」、「試行錯誤の中で工夫と挑戦を繰り返す」、「お友達との関わり合いの中で我慢を覚える」等の経験が得られます。
春らしい穏やかな気候のもと、木々に囲まれた自然豊かなフィールドで、薪割りや火おこしをはじめとした活動に取り組みながら、野外炊事や自由な自然遊びを通して、五感を使って自然と関わる一日となりました。 それぞれのペースで挑戦し、仲間と関わり合い、多くの発見と学びを得た、子どもたちの様子をお届けします。
集合は朝8時20分、JR新宿駅新南口。子どもたちの集合に先立ち、スタッフはミーティングを行い、当日の活動内容や安全管理について最終確認を行いました。今年度の参加人数は子ども23名、保護者12名、引率スタッフ9名、現地スタッフ4名の計48名。昨年を大きく上回る規模での実施となり、より一層の連携と見守り体制を意識した準備を整えました。
やがて集合時刻が近づくにつれ、リュックサックを背負った子どもたちが次々と集まってきます。虫かごや虫取り網、水筒など、それぞれが思い思いの装備を手にしながら、これから始まる一日への期待を膨らませている様子が見られました。
初参加の子どもたちの中には、少し緊張した面持ちで周囲の様子をうかがう姿もありましたが、スタッフやリーダーが声をかけながら関わることで、次第に表情も和らいでいきます。
また、保護者の方と離れることに不安を感じる子に対しては、無理に気持ちを切り替えさせるのではなく、その気持ちに寄り添いながら関係を築いていくことを大切にしています。そうした関わりの中で、少しずつ環境に慣れ、自分から一歩踏み出していく姿が見られるのも、この活動の大きな特徴の一つです。
全員が揃ったところでスタッフ紹介と諸注意を行い、いよいよ出発です。見送りに来てくださった保護者の皆様に元気よく「行ってきます!」と挨拶をして、ホームへと向かいます。土曜日の朝ということもあり、駅構内や電車内は混雑していましたが、グループごとに整列し、周囲への配慮を意識しながら行動しました。リーダーたちも子どもたちの様子に目を配り、公共の場でのマナーについて適宜声かけを行います。



電車の中では、車窓から見える景色に目を向けたり、これからの活動について話をしたりと、それぞれが思い思いに過ごしていました。活動への期待から、つい声が大きくなりそうになる場面も見られましたが、周囲の状況に気づいた子ども同士で自然と声の大きさを調整しようとする様子もあり、集団の中での意識の育ちが感じられる場面となりました。

やがて高尾駅に到着し、トイレ休憩を済ませた後、路線バスへと乗り換えます。バスの中でも、子どもたちは落ち着いて過ごしながら、窓の外に広がる景色に目を向けていました。街並みから徐々に自然の風景へと移り変わっていく様子に気づき、「もうすぐ山かな」「川が見える」といった発見を共有するようなやりとりも見られ、活動への期待がより一層高まっている様子がうかがえました。
バスを降りると、いよいよ森の中へと入っていきます。目的地までは約15分。木々の間から差し込むやわらかな日差し、小川のせせらぎ、鳥のさえずりに包まれながらの道のりです。舗装されていない自然の道を歩く中で、足元の状態に気を配ったり、周囲の様子を観察したりと、子どもたちは少しずつ環境に適応しながら進んでいきました。


途中では、川の流れや地形に興味を持ち、「どうしてこうなっているんだろう」といった素朴な疑問を抱く様子も見られました。こうした気づきが自然と生まれることも、自然体験活動ならではの魅力です。
現地に到着すると、車で先行していたてんげんじこどものいえのスタッフと、現地を管理しているスタッフの方が子どもたちを出迎えてくれます。全体での挨拶を行い、活動場所の使い方や安全面での注意事項について確認した後、いよいよ活動がスタートします。

最初のプログラムまでは自由遊びの時間。広々としたフィールドに解き放たれた子どもたちは、さっそく思い思いの場所へと散っていきました。
数日前の雨や風の影響もあり、この日は森の中に落ち葉や枝が多く見られました。そのため、焚き火には多くの子どもたちが自然と集まり、「これ燃えそう!」「こっちのほうが乾いてるかも」といった具合に、素材を見極めながら燃料を集める様子が見られました。結果として、焚き火の周りには常に複数の子どもたちが集まり、活動の一つの中心となっていました。


一方で、虫取り網を片手に地面や木の幹をじっと観察する子どもたちの姿もあり、それぞれが春の森ならではの環境の中で、自分なりの関心に基づいた過ごし方を見つけている様子がうかがえました。
また、このフィールドには手作りのブランコやハンモックも設置されており、それらに挑戦する子どもたちの姿も見られました。揺れや不安定な姿勢に戸惑いながらも、何度か試すうちにコツを掴み、自分の力で乗りこなしていく過程は印象的でした。




活動全体を通して大切にしているのは、「自らの責任で挑戦する」という姿勢です。スタッフたちも、安全管理のための目配りは行いつつも、子どもたちの行動に過度に介入することはせず、一人ひとりが状況を見て判断し、行動する機会を大切にしています。滑りやすい斜面や不安定な足場といった環境の中で、「どこに足を置くか」「どの枝なら体重をかけられるか」といった判断を自分自身で積み重ねていきます。
実際に、はじめは慎重に足を運んでいた子どもが、何度か挑戦するうちに安定して進めるようになったり、別のルートを見つけて試してみたりと、それぞれのペースで工夫を重ねていく様子が見られました。こうした試行錯誤の積み重ねが、単なる「遊び」を超えた学びへとつながっていきます。
しばらくすると、今回のメインプログラムでもある飯ごう炊さんの準備が整い、スタッフから説明を行うので、時間になったら集合するようにと声がかかりました。
子どもたちはそれぞれ遊びを続けながらも、その声かけを意識し、「そろそろかな」と様子を見ながら、自分のタイミングで指定された場所へと集まってきます。こうした流れの中で、遊びから次の活動へと意識を切り替えていく様子が見られました。
やがて全体がそろったところで、本日の大きなプログラムである飯ごう炊さんに向けた説明を行います。安全に活動を進めるための約束や道具の扱い方を確認しながら、これから自分たちの手で火を扱い、ご飯を炊くという一連の流れを共有しました。



説明を聞く子どもたちの表情からは、楽しみな気持ちと同時に、少しの緊張感もうかがえました。普段の生活ではなかなか触れることのないナイフやマッチといった道具を扱うことに対して、慎重さを持ちながらも、「やってみたい」という意欲が芽生えている様子が見られます。
こうして、いよいよ最初の工程である薪割りへと進んでいきます。
スタッフから道具の使い方や安全上の注意について説明を受けた後、子どもたちは順番にナイフを手に取り、太い薪を細く割る作業に挑戦しました。





初めてナイフを扱う子にとっては緊張感のある作業ですが、スタッフがすぐそばで手を添えながらサポートすることで、少しずつコツを掴んでいきます。力の入れ方や刃の当て方を工夫しながら、「さっきより割れた!」「細くできた!」といった達成感の声が上がっていました。
薪が細くなっていく様子は、目に見えて成果が分かるため、子どもたちにとって非常に分かりやすい成功体験となります。一方で、思うように割れない場面では、「どうしたらうまくいくかな」と考え、試行錯誤する姿も見られました。
薪の準備が整ったら、次は火おこしです。新聞紙と自分たちで割った薪を使い、あらかじめ説明された手順に沿って材料を組み上げていきます。どの順番で、どのように重ねると火が安定しやすいのかについても事前に説明されており、子どもたちはその内容を思い出しながら、グループごとに丁寧に準備を進めていました。火をつけるまでの「準備」の大切さを実感する場面でもあります。



マッチに火をつける瞬間は、子どもたちにとって大きな挑戦のひとつです。最初は恐る恐る手を伸ばしていた子も、スタッフの声かけを受けながら意を決して擦り、小さな炎が生まれた瞬間には、思わず表情が明るくなる様子が見られました。
その後は、ついた火を絶やさないように、様子を見ながら薪をくべていきます。うちわで風を送りながら火の状態を確かめたり、どのタイミングで枝を足すかを考えたりと、子どもたちは自然と火の扱いに意識を向けていました。




大きく火が消えてしまうような場面は見られませんでしたが、安定した火を維持するためには気を配り続ける必要があり、そうした継続的な関わりの中で、火と向き合う感覚を少しずつ身につけていく様子が印象的でした。
こうして無事に火が安定したところで、いよいよ炊飯の工程へと進みます。
今回使用した飯ごうは、内蓋すりきりでおよそ2.5合分の計量ができるもの。1つの飯ごうで5合を炊くためには、同じ作業を繰り返す必要があります。「何回入れればいいんだっけ?」と確認しながら、グループごとに声を掛け合い、慎重に量っていきました。


「すりきりってどうやるの?」という声も上がり、山盛りになったお米を指やヘラで平らにならしていく作業にも、一つひとつ意味があることを学びます。袋に入ったお米をそのまま流し入れようとしてこぼしてしまったり、思った以上に量の調整が難しかったりと、普段は経験しない工程に戸惑う様子も見られました。
水を加えた飯ごうはずっしりと重くなり、水場からかまどまで運ぶだけでも一苦労です。「重い!」「ちょっと持ってて!」と協力し合いながら運ぶ姿も印象的でした。
火にかけた後は、火加減の調整が重要になります。薪を足したり、うちわで風を送ったりと、先ほどの火おこしで得た感覚を生かしながら、それぞれのグループが試行錯誤を重ねていきました。



炊き上がりを待つ時間には、「まだかな」「白い煙が出てきた」といった声が自然と上がります。やがて立ち上る湯気や香ばしい香りに、子どもたちは期待を膨らませながら、五感を通じて“食事ができていく過程”をしっかりと感じ取っている様子でした。
こうして完成したごはんと豚丼を前に、「いただきます!」の挨拶とともに、待ちに待った昼食の時間となりました。昼食の時間は、どのグループも笑顔にあふれていました。自分たちで火を起こし、工程を一つひとつ積み重ねて炊き上げたごはんは、それだけで特別な味わいがあります。
実際に食べてみると、「ちょっとしっかりめに炊けたね」「こっちはやわらかいかも」といった声が上がり、グループごとの仕上がりの違いも自然と話題になっていました。おこげの部分を見つけて喜ぶ子や、「これ自分たちで作ったんだよ」と誇らしげに話す子の姿も見られます。




また、水分量の違いによってお粥のような仕上がりになったごはんについても、「こうなるんだね」と結果を受け止めたり、「これはこれでおいしい」と前向きに味わったりと、それぞれの捉え方が見られました。
食事の時間は、単にお腹を満たすだけでなく、活動全体を振り返る時間にもなります。どの工程が大変だったか、どこで工夫したかなどを自然と共有し合う中で、一つひとつの体験が言葉として整理されていく様子も印象的でした。
食後は、片付けの時間です。飯ごうについた汚れを落とし、使った道具を元の状態へと戻していきます。煤で黒くなった道具を洗う作業は決して楽ではありませんが、自分たちで使ったものを最後まできちんと扱うことも、活動の大切な一部です。

スタッフの確認を受けながら、一つひとつ丁寧に仕上げていく子どもたちの姿が見られました。そうして片付けを終えると、午後の活動へと移っていきます。
午後は再び自由度の高い時間となり、子どもたちはそれぞれの興味に応じて過ごしました。
まず、この日は今後の宿泊キャンプに向けたテント設営の体験を行いました。6月に予定されているテント泊の活動を見据え、実際に自分たちの手で設営を行う機会です。スタッフの説明を受けながら、ポールの組み立てやシートの広げ方を一つひとつ確認し、協力して作業を進めていきました。





「ここ持ってて!」「あれ、こっちで合ってる?」と声を掛け合いながら、自然と役割分担が生まれていきます。最初は戸惑いも見られましたが、手順を追うごとに理解が深まり、テントの形が立ち上がっていくにつれて、子どもたちの表情も次第に自信に満ちたものへと変わっていきました。完成したテントを前に、「できた!」と達成感を共有し、中に入ってみたり外から眺めたりする中で、これからのキャンプへの期待も膨らんでいる様子でした。

一方で、工作コーナーに集まる子どもたちの姿も多く見られました。既製のパーツを組み立てて作るコマは、気軽に取り組めることもあり人気を集めており、思い思いに色や模様を描き込んで、自分だけのコマに仕上げていきます。
また、ぶんぶんゴマづくりに取り組む子もおり、こちらは実際に回してみる中で、「どうすればうまく回るのか」と試行錯誤を重ねる様子が見られました。糸の引き方や力の入れ方によって動きが変わるため、繰り返し挑戦しながらコツをつかんでいく過程も、この活動の面白さの一つです。
さらに、木のペンダントづくりに取り組む子もおり、自然素材に触れながら、それぞれが思い思いのデザインを形にしていきます。こうした創作活動は、午前中のダイナミックな活動とはまた異なる集中力を引き出し、落ち着いた時間の中で自分と向き合う機会にもなっていました。





外では、引き続き自然の中で遊ぶ子どもたちの姿も見られました。虫を探して地面を観察したり、斜面を行き来したりと、それぞれが自分なりの遊び方で時間を過ごしています。単純な遊びの中にも発見や工夫があり、自然との関わりを楽しむ様子がうかがえました。
このように、同じ時間・同じ場所にいながらも、子どもたち一人ひとりが異なる過ごし方を選び、それぞれに充実した時間を築いていく様子が印象的でした。




やがて帰りの時間が近づくと、それぞれが持ち物の確認と着替えを済ませ、使った場所をきれいに整えます。自然の中で過ごさせてもらった場所への感謝の気持ちを込めて、来たときよりも少しでもきれいにして帰ろうとする姿勢が、子どもたちの中にも少しずつ根付いているように感じられました。
全員で「ありがとうございました!」と元気よく挨拶をして活動場所を後にし、バス停へと向かいます。
帰りのバスでは、行きとはまた違った落ち着いた空気が流れていました。たくさん体を動かし、頭も使って活動した一日の疲れから、静かに眠りにつく子どもたちの姿も見られます。一方で、「何が一番楽しかった?」「またコマ作りたいな」などと、その日の出来事を振り返る会話も聞こえてきました。
電車での移動中も、行きと同様に周囲への配慮を忘れず、それぞれが落ち着いて過ごすことができました。そうした姿からは、一日を通しての成長が感じられます。


無事に集合場所へと戻ると、お迎えに来てくださった保護者の方々と再会です。子どもたちはどこかほっとした表情を見せながらも、「こんなことしたよ」「これ作ったんだよ」と、その日の体験を伝えようとする様子が印象的でした。
スタッフから全体のご報告を行い、怪我や大きなトラブルもなく、一日の活動を終えることができました。
今回のDAY CAMPでは、薪割りや火おこし、飯ごう炊さんといった活動に加え、自由遊びや工作、テント設営体験など、多様なプログラムを通して、子どもたちがそれぞれの形で自然と関わる時間を過ごしました。
うまくいったことだけでなく、思い通りにならなかった経験も含めて、一つひとつが子どもたちにとっての学びとなり、次への意欲につながっていくことを願っています。
次回の「森の幼稚舎」は、2026年7月の開催予定の「清流沢遊び編」です。夏の森で、冷たい沢の流れに触れながら、思いっきり自然と遊び、学ぶ時間をお楽しみに!
現在、6月以降の体験活動およびキャンプへのお申し込みを受付中です。
ほぼ満席の状況ではございますが、空席状況は常に変動しておりますので、最新の状況はお電話やメールにてお問い合わせください。
てんげんじこどものいえの活動、今後ともぜひご注目ください!
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