【活動報告】森のチャレンジキャンプ(2022年6月11日~6月12日実施)
2022年6月11日から6月12日にかけて、「森のチャレンジキャンプ」を開催しました。
幼児が8名、小学生が12名の計20名の子どもたちが力を合わせてテントを立てたり、食事を作ったりと、名前の通りチャレンジングなキャンプでしたが、引率スタッフが12名(内1名が医療従事者)と万全のフォロー体制を整え、子どもたちの主体的な活動を支えることができました。
1泊2日のキャンプを通して、子どもたちが「少し大きな自分」に成長する様子をご紹介いたします。
1日目
1日目の朝は、8:30にJR新宿駅に集合です。大きなカバンを背負い、期待と不安が入り混じった顔を覗かせる子どもたちが集まり始めます。それもそのはず、これまでのてんげんじのこどものいえキャンプで宿泊は慣れている子が多いですが、テント泊は初めての子どもたちばかり。そんな子どもたちには、担当のリーダーが「2日間楽しもうね!」などと声をかけ、不安を和らげます。受付で出欠と体調確認を済ませ、いざ出発です。保護者の方々に見送られ、駅のホームへと進みます。
キャンプ場までは、電車とバスを乗り継いで移動します。片道約1時間30分の道のりですが、駅のホームでは整列して電車を待ち、電車内・バス内では他の乗客のご迷惑にならないように静かに過ごし、公共の場でどのように振舞うべきかを考えて行動する様子が見られました。また、乗り換え時の徒歩移動やお手洗いなどもスムーズに済ませ、予定通りの時間にキャンプ地最寄りのバス停に到着しました。
バス停に到着すると、「てんこど号」が子どもたちをお出迎えしてくれていました。子どもたちの豊かな体験活動を支えるために、保護者の方をはじめ多くの方にご協力いただいて導入に至ったてんこど号は、この森のチャレンジキャンプが初仕事です。
初めて見るこどもたちは「てんこど号に乗って行きたい!」と大興奮でした。今回は子どもたちの大きなリュックだけを乗せて、一足先に出発です。
てんこど号が荷物を載せて出発した後、子どもたちは虫よけを塗り直して、キャンプ地に向けて山道を歩き始めます。山の新鮮な空気、清流のせせらぎを感じながら歩を進めます。道すがら、幼児が「もう疲れちゃった」と声を上げた際には、小学生のお姉さんが手を取って一緒に進む、微笑ましくも頼もしい姿が見られました。本部が企画しているプログラムだけでなく、こうした自然な流れの中で思いやりのこころが育まれることは、キャンプ・体験活動に行く醍醐味の一つでもあります。
歩くこと15分、キャンプ場に到着しました。到着して最初に、オリエンテーションを行いました。自由に楽しみながらも、ケガや事故が起きないように、しっかり注意事項を聞きます。オリエンテーションの後は早速テントの設営開始です。キャンプ期間中、自分達が設営したテントで寝泊まりするので、テントの設営はとても重要です。上手に立てられるように、まずはディレクターから設営の手順をよく確認します。
今回設営するテントは大人4~5人が寝泊まりできる「ファミリーテント」というタイプのもので、ポールやシートなどもすべて大型です。リーダーの手を借りながら、子どもたちが力を合わせて少しづつテントを組み立てます。
「反対側持って」、「そっちから押してもらえない?」初めて会う子ども同士も自然と声を掛け合います。
格闘すること約1時間、全てのテントを張り終えました。完成したテントに子どもたちは大はしゃぎ。
同じテントのお友達と記念撮影をしたり、大の字に寝転んだり、チャックの隙間から顔を覗かせたりとテントがとても気に入った様子でした。
テント設営を終えたら昼食の時間です。みんなで円になり、保護者の方が持たせてくださったお弁当を、口いっぱいに頬張ります。「テントの中で何をしよう?」、「ブランコやりたいな」などと、この後の予定を楽しげに話していました。
昼食後は自由時間です。生き物探しに草むらの散策、火おこし、ハンモック、ブランコ等、ここでしかできない自然遊びを思う存分楽しみます。キャンプ場にあるものを組み合わせて自由に遊ぶ、まさに自然遊びの醍醐味です。
たっぷり遊んでお腹を空かせた後は、お待ちかねのカレー作りがスタートです。約30人分のカレーづくりを、ご飯を炊いて、野菜を切って、炒めてと、全ての過程を子どもたちが力を合わせて進めます。
ご飯は飯ごうで炊き上げます。ふっくらとしたご飯を炊けるように、お米と水を慎重に量って火にかけます。おいしいご飯を炊くコツは、ちょうどよいタイミングで火から飯ごうを上げることです。飯ごうを火にかけていると、次第に中から水があふれてきます。水が溢れきると、水蒸気が上がり始めるので、この時にご飯を引き上げることが、おいしく炊き上げるコツです。
このタイミングを逃すと焦げてしまうので、この役割の人は責任重大です。火からを目を離さずに「煙が上がり始めた!」の声を上げて飯ごうを火からおろし、中を確認するとふっくらつややかでおいしそうなご飯が炊けていました。
その横では具材の調理を進めます。野菜の皮をむく時は指を切らないようにピーラーを動かす向きに気を付ける、包丁を扱うときは左手を猫の手にして野菜に添えるなど、子どもたちがケガをしないようにリーダーが適度に声を掛けつつも、調理の主体はあくまで子どもたちです。初めて調理をする子どもたちも一つ、また一つと小さなチャレンジを積み重ねます。
全ての野菜の下ごしらえを終えたら、大鍋で具材を火にかけます。火種から上がる白煙に目を瞬かせながら、じっくりと食材を炒めます。最後に水を沸かせてルーを入れ、煮込むこと10数分、念願のカレーが出来上がりました。
元気よくいただきますをして食べ始めるや否や、子どもたちからは「おいしい!」と大きな声があがります。
自然の中で食べる、自分たちで作ったカレーは絶品だったようで、2回もお代わりをする子どももいました。
食後は、テーブルを拭いたり、食器を洗ったりと、片付けもすべて自分たちで行います。繰り返し丁寧に丁寧に洗い続け、すすで真っ黒だった大鍋もピカピカになって本部まで返してくれました。「自分のことは自分でやる」、やりたいことだけでなく、こうした後片付けをしっかりとやり遂げることもとても重要な体験です。
食器を洗い終えるころには小雨が降り始めたので、母屋に移動してゲーム大会スタートです。リーダーが準備してくれた「後だしじゃんけん」や「命令ゲーム」などを楽しみました。
ゲームの後はキャンプだけの特別なデザートタイム、焼きマシュマロづくりです。普段のキャンプでは野外炊事の残り火などを使いますが、今日は特別に囲炉裏の炭を使って、じっくりと焼き上げました。トロっと焼けたマシュマロをクラッカーに挟んで食べると、思わず笑みがこぼれます。
こうして初日に予定していたすべてのプログラムを無事に終えて、歯磨きをした後に子ども達はテントへと向かいます。
丸一日思い切り楽しんだので、寝床に着くなりぐっすりの子どもたち。今日の楽しかった思い出を振り返りながら眠りにつきました。
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