【活動報告】森のチャレンジキャンプ(2023年6月10日~6月11日実施)

2023年6月10日から6月11日にかけて、「森のチャレンジキャンプ」を開催しました。

幼児が9名、小学生が4名で合計13名の子どもたちが参加し、リーダーと協力しながらテントを立てたり、夕飯を作ったりと様々な活動を行いました。引率スタッフは11名で、子どもたちが安全且つ主体的に活動できるよう、万全のフォロー体制を整えました。

今回は雨の中での活動も多くなりましたが、貴重な経験の場である1泊2日のキャンプを通じて、子どもたちが成長していく過程をご紹介します。

1日目

1日目の朝は、8:30にJR新宿駅新南口に集合です。集合時刻になる前に、スタッフは受付の流れから2日間の留意事項について改めて確認し、子どもたちの安全を守るため全員の認識を合わせます。

集合時刻になると、大きなリュックを背負いながら期待に胸を膨らませ、目を輝かせた子どもたちが集まり始めます。お泊まりは経験したことがあっても、テント泊は初めての子どもばかりです。さらに、ご両親と離れ、自分だけで参加する宿泊行事は初めての幼児が多い中、リーダーはグループの子どもたちに優しく声をかけ、不安を和らげます。

受付を済ませ、引率スタッフの紹介や挨拶が終わると、いよいよ出発です!保護者の方々に見守られながら、子どもたちは元気よく「行ってきます!」と笑顔で手を振り、駅のホームに向かいます。

キャンプ地までは片道約1時間30分、電車とバスを乗り継いで移動します。移動中は、他の乗客のご迷惑にならないよう静かに過ごし、公の場に相応しい振る舞いをします。グループのお友達とさっそく自己紹介をし、わくわくした様子で会話をしながらも、決して大きい声は出さず、きちんとマナーを守って過ごすことができていました。重い荷物を背負いながら、列を乱さないよう自分の足でしっかりと歩く姿は、とても立派でした。

バス停を降りると、スタッフの運転する「てんこど号」が子どもたちを待っていました。ここから山道を登るため、水筒だけを手に持ち、他の荷物は「てんこど号」に載せていきます。荷物を降ろし、身体が軽くなったところで、いよいよキャンプ地へ向けて山道を歩き始めます。
風に揺られてサワサワと音を立てる新緑、道の横を流れる清流のせせらぎ、山の新鮮な空気に癒されながら、子どもたちは足取り軽く、どんどん進んでいきます。中には、幼児同士で手を繋ぎ、互いに支え合いながら歩く微笑ましい様子も見られました。

歩くこと15分、2日間を過ごすキャンプ地に到着しました。到着すると、まずはオリエンテーションを行いました。雨上がりで地面もぬかるんでいることから、怪我や事故が起きないよう、ここでの約束事を確認します。

オリエンテーションが終わると、さっそく今晩の寝床であるテントの設営を行います。翌日は朝から雨予報であるため、テントに雨水が入り込むことのないよう、入口の向きや張り方等に細心の注意が必要です。みんなが快適に過ごせるよう、ディレクターから設営の手順をよく聞き、真剣に取り組みます。

今回設営するテントは、大人4~5人が寝泊まりできるファミリーテントです。リーダーと協力しながら、子どもたちは力を合わせて少しずつテントを組み立てます。
「ここのペグは僕が打つよ」「そっち側を押さえてくれる?」と、小学生を中心に子ども同士で声を掛け合い、協同してテントを張る姿には感心させられます。これは、まさに子どもたちの中で社会性が育まれている瞬間です。

さて、テント設営に格闘すること約1時間、全てのテントを張り終えました。自分で組み立てたテントに、子どもたちは大はしゃぎ。さっそく中に入り、大の字になって寝転がったり、チャックを開けて顔を覗かせたりと、今晩の寝床がとても気に入った様子でした。

テント設営を終えると、ようやくお昼ご飯です。保護者の方が持たせてくれたお弁当を広げ、友達と一緒に木の椅子やベンチに座って円になり、もりもりと食べていきます。
「そのおかず美味しそう!」「このあと何をして遊ぼうか?」など、子ども同士でコミュニケーションを交わしながら、楽しくお昼ご飯の時間を過ごします。

昼食後は、自由時間です。行きの山道で見つけたサワガニを観察したり、カタツムリやバッタなどの生き物を探したり、焚き木を探して火を起こしたり、ブランコやハンモックに揺られたり…。子どもたちは、自然の恵みを自らの想像力によって遊び道具に変えながら、自然遊びを思う存分楽しみます。

中には、珍しい鳥のひなを見つけた子もおり、なかなか出会うことのできない生き物に、子どもたちは興味津々。色々な生き物や自然に触れ、命の尊さや思いやりの心を学んでいくことも、自然遊びの醍醐味といえるでしょう。

他にも、スコップを取り出し、坂のところに階段を作る子どもの姿もありました。リーダーと協力しながら、小さい子でも登りやすいように、土の量を工夫して段差を低くし、崩れないよう土を固めて頑丈に作っていきます。完成した手作りの土の階段に、幼児たちは大喜び。作った子どもたちも、「ぜひこちらの階段をお使いください!」と、嬉々として宣伝していました。

たっぷり遊んでお腹が空くと、いよいよお待ちかねのカレー作りが始まります。今回のキャンプでは、3種類のお肉を使ってカレーを作ります。牛肉・豚肉・鶏肉のグループに分かれ、それぞれのカレーがどのように変化するのかを楽しみます。具材の違いで味わいが変化することのおもしろさを、子どもたちは自ら調理し、実際に食べることで学んでいきます。グループの中で、ご飯を炊く係、カレーを作る係に分かれると、それぞれが担当の作業に取り掛かります。

ご飯は、薪から火を起こし、飯ごうで炊き上げます。ふっくらとした艶々のご飯を炊けるよう、お米と水をしっかりと量って火にかけ、火加減を調整します。火にかけてしばらく経つと、次第に中から水が溢れてきます。水が溢れきると水蒸気が上がり始め、ふっくらご飯の完成です。子どもたちは、飯ごうを見つめながら、まだかまだかと首を長くして、水が溢れきるのを待ちました。

その間、カレー係は具材の調理に取り掛かります。野菜を洗って皮をむく時には、指を切らないよう、ピーラーを動かす向きに注意します。皮をむいたら、いよいよ包丁で野菜を切る作業に挑戦です。
左手を猫の手にして野菜に添え、手を切らないよう細心の注意を図ります。初めて包丁を扱う子は、リーダーと一緒に包丁を持って野菜を押さえ、ゆっくりと慎重に切っていきます。お手伝いで包丁を扱ったことのある子も、常にリーダーが横に立ち、怪我のないよう少しずつ野菜を刻んでいきます。こうして、リーダーが見守る中、子どもたちが主体となって調理を行い、下ごしらえ完了です。

次は、大鍋で具材を火にかけ、炒めていきます。玉ねぎと肉に火が通ったら、他の具材を入れ、水を沸かせてルーを入れます。子どもたちは、落とさないようしっかりとルーの袋を持ち、沸騰したお鍋に恐る恐る入れていきます。そうして煮込むこと十数分、念願のカレーが出来上がりました!

元気よく「いただきます!」と挨拶をして、グループごとに座って食べ始めます。口に入れた途端、あちこちで「おいしー!」と大きな声が上がります。美しい自然の中、自分たちで一から作ったカレーの味は格別です。自分のグループのカレーを平らげると、違うお肉を使っている他のグループのカレーをもらいにいきます。

「味が全然違う!」「私はこっちのお肉の方が好き!」「鶏肉のカレーの方が、味が濃い気がするよ!」そんな風に感想を言い合いながら、子どもたちは何度もおかわりをして、3種類のカレーを楽しみました。

食後は、お皿を片付けたり、テーブルを拭いたり、調理器具を洗ったりと、片づけも全て自分たちで行います。飯ごうは、繰り返し丁寧に洗い続け、煤で真っ黒になった表面をピカピカになるまで磨いていきます。「これをやりなさい」ではなく、「誰か手伝ってくれる人?」「これをやってくれる人?」というリーダーたちの声に反応し、自ら進んでするべきことを探す姿から、子どもたちの主体性に重きを置く体験活動の教育的な意義を感じます。

片付けをしている間、女の子から順番にお風呂に入ります。お風呂セットを出したり、無くならないよう荷物を整理してリュックに詰めたりと、「自分のことは自分でやる」という小さな経験も、子どもたちにとって大切な学習です。

全員がお風呂を終えると、いよいよ夜のキャンプファイヤーが始まります!
円になって火を囲み、リーダーが準備した「落ちた落ちた」や「飛んだ飛んだ」などのゲームを楽しみます。「みんなで一緒」のゲームでは、手を繋いで前後や左右にジャンプをする際、飛ぶ方向を間違えて、隣同士で引っ張り合う始末。
そんな笑いを交えたゲームが終わると、お次は待ちに待ったデザートタイム、焼きマシュマロ作りです! 串に刺したマシュマロを、ほんのり色づいてトロトロに膨らむまで、焚火の火にじっくりと当てていきます。子どもたちは、わくわくした様子で自分のマシュマロを見つめながら、食べ頃になるのを待っていました。

そうして、焼き上がったマシュマロをクラッカーで挟み、大きなお口でパクリ。口いっぱいに広がるマシュマロの甘さに、思わず笑みがこぼれます。あまりの美味しさに、カレーをたくさんおかわりしたことも忘れて、子どもたちは口の周りにマシュマロをたっぷり付けながら、夢中で何個も食べていました。

こうして、初日に予定していたプログラムを終え、歯磨きをして次の日の支度を整えたら、今夜の寝床であるテントへと向かいます。初めて入る寝袋の心地よさに興奮しながらも、丸一日思いっきり楽しんだ疲れから、子どもたちはぐっすり。今日の思い出と、明日の楽しみに胸を膨らませながら、気持ちよさそうに眠りにつきました。

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