【活動報告】サマーリトリート(2023年8月10日~8月11日実施)

2023年8/9(水)~ 8/14(月)の5泊6日で、「東京都亜熱帯区 八丈島キャンプ」を実施する予定でしたが、台風の影響を鑑み、子ども達の安全を最優先に考えた判断を行いました結果、今年は残念ながら中止といたしました。

しかし、少しでも子どもたちに楽しい夏の思い出や学びある場を提供したいという思いから、急遽8/10(木)~8/11(金)に「サマーリトリート」を開催いたしました。てんげんじこどものいえが管理している施設及び周辺環境での宿泊を体験し、充実した2日間を過ごした子どもたちの様子をお届けします。

1日目

当日は朝9:00、幼児教室慶楓会の小学校受験コースで利用している白金台教室に集合です。突然の変更にも関わらず、八丈島へ行く予定だった子どもたちのうち多数が元気に参加してくれました。皆様のご理解とご協力に、心より感謝申し上げます。

集合時刻になる前に、スタッフは受付の流れから2日間の留意事項について改めて確認します。天候等の状況により、プログラムの内容を変更する可能性もあったため、子どもたちが安全に活動できるよう全員の認識を合わせます。しかし、奇跡的に2日間とも良い天候に恵まれ、子どもたちは全てのプログラムを体験し、実りある2日間を過ごすことができました。

集合時刻になると、リュックを背負って期待に胸を膨らませた子どもたちが集まり始めます。キャンプは経験したことがあっても、てんげんじこどものいえが管理している施設へのお泊まりは初めての子どもばかりです。いつも幼児教室として通っている子も、「今日はここで遊ぶの?」と、嬉しそうに目を輝かせていました。

受付を済ませ、引率スタッフの紹介や挨拶が終わると、いよいよ1つ目のプログラムである「キャンプレクリエーション会」が始まります!最初は、2日間を共に過ごすお友達の名前や顔、特徴を覚えるために、「なんでもバスケット」や「覚えて自己紹介」、「ネームトス」などのゲームを行いました。

初めは、知らない人ばかりで緊張していた様子の子も、徐々に打ち解けて笑顔で活動する様子が見られました。照れながら自己紹介をしていた幼児も、堂々と元気よく話す小学生の姿を見て、ゲームの終盤には別人のように大きな声で話す場面も。
異なる学年の子どもたちが集まると、互いに刺激を受けて高め合いながら成長していきます。

その後も、「人間知恵の輪」や「フラフープ送り」、「猛獣狩り」などのゲームを行い、お部屋の中は大盛り上がり。知恵の輪が外れた瞬間の、子どもたちの達成感と自信に満ち溢れた表情や、猛獣狩りで元気に台詞を繰り返す様子からは、八丈島へ行けなかった悲しみなど微塵も感じられません。お友達とも打ち解けて、みんなで楽しい時間を過ごしました。

レクリエーションが終わり、自由時間を過ごしたら、昼食の支度に取り掛かります。この日は、台風が身近に迫っている状況も鑑み、非常食体験を行いました。突発的な災害に遭遇した際に、避難活動を円滑に行い、どんな状況でも柔軟に対応できる生活能力の習得を目的とします。このような非日常的な体験の積み重ねも、子どもたちの「生きる力」の育成へと繋がっていきます。

アルファ米やスープ、おかずとしての缶詰など、次々と非常食が食卓に並べられていきます。子どもたちは、「自分のことは自分でする」を常に心掛け、お皿を用意したり、お湯を注ぐ準備をしたりと、お友達と協力して食事の用意をしていきます。そんな中、乾燥したアルファ米を見て、「どうしてお米がパラパラしているの?」「これで本当に食べられるのかな?」と、日常であまり見ることのない非常食に子どもたちは興味津々です。

中には、缶詰の魚の骨を全て取り除こうとしたり、お湯を注ぐ前に容器から出す乾燥剤を忘れていたりする子もおり、初めての経験に戸惑うばかり。しかしながら、実体験の中で沢山の疑問を持ち、時には失敗から学びを得て日常に活かしていくことこそ、多種多様な経験を可能にする体験活動の教育的意義とも言えます。

食事の支度が整うと、ご飯を食べられることへの感謝を込めて、全員で「いただきます」の挨拶をします。食べ始めると、「パラパラしていたご飯がふっくらしている!」「すごく美味しい!」などといった感想が、あちこちから聞こえてきます。子どもたちは、非常食特有の食品の変化に感嘆の声を挙げながら、逞しくもりもりと食べていました。

昼食を食べ終えて「ごちそうさま」をしたら、全員でお片付けです。使ったお皿を種類ごとに分けたり、テーブルを拭いたりと、普段当たり前のようにお家の方にやってもらっていることを、リーダーのサポートのもと、自分たちの力でやり抜きます。

片付けを終えたら、午後は水筒と帽子だけを持ち、港区立郷土歴史館の見学に出発です。
白金台教室を出て、徒歩3分ほどで到着しました。館内ではグループに分かれ、各リーダーと共に行動します。自然・歴史・文化を通じて港区を知り、交流する拠点となるこの施設は、建物の外観にも歴史的魅力があり、子どもたちは興味津々です。浮世絵や鉄道模型、歴史資料を見ながら、館内スタッフの方々に「あれは何?」「どうしてこうなっているの?」と質問する姿からは、子どもたちの学びへの意欲を感じます。

戦争の資料が置かれている部屋では、平和を願って千羽鶴を折るコーナーもあり、子どもたちは手順を教わりながら一生懸命に織っていました。他にも、クジラなどの大型動物の骨や剥製が展示されている部屋では、「本物」に触れることで自然の恵みと命の尊さを肌で感じ、昔ながらの日用品を手に取っては、現代製品との比較を通じて文明発達の凄さを体感していました。

見学を終えた後は、近くにあるどんぐり公園に移動し、思いっきり身体を動かします。青空の下、子どもたちは好奇心の赴くまま、倒木の上を走って飛び越えたり、遊具に登ったり、トンボを追いかけて芝生の上を走り回ったりして、基礎的な身体能力と豊かな心を育んでいきます。塩分や水分補給も行いながら、リーダーやお友達と共に楽しい自然遊びの時間を過ごしました。

夢中になって外遊びをしていると、あっという間に夕方になりました。
子どもたちは、てんげんじこどものいえの車で既に荷物が運び込まれている南麻布本部教室へと移動します。道中、コガネムシやバッタなどの生き物を見つけては捕まえて観察したり、お友達と公園遊びでの思い出を振り返ったりしながら、軽い足取りで歩いていきます。

到着後、まずは体中の汗と汚れを落とすため、すぐにお風呂に入ります。限られた時間の中で手際よく行動することを心掛けながら、子どもたちは自分で身体を洗い、着替えたら荷物を整頓します。

その後は、待ちに待った夕食の時間です。メニューはなんと、スタッフが腕によりをかけた肉うどん!
公園で思う存分動き回り、全員お腹がペコペコです。大量に茹でたはずのうどんも、あっという間に子どもたちのお腹の中へと消えていきました。

食事の後、就寝準備や明日の支度を終わらせたら、楽しみにしていたナイトシアターの時間です。映画館のような薄暗い部屋の中、寝袋を枕にしながら、リラックスした体勢で巨大スクリーンに映された作品を鑑賞します。一日の疲れで眠りにつく子がいるかと思いきや、全員最後までナイトシアターを堪能していました。

こうして、初日に予定していたプログラムを全て終え、リーダーによる健康チェックや日記の提出を終わらせたら、寝袋を広げます。初めて入る寝袋の心地よさに興奮しながらも、丸一日思いっきり楽しんだ疲れから、子どもたちはぐっすり。今日の思い出と、明日の楽しみに胸を膨らませながら、気持ちよさそうに眠りにつきました。

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